Pentium D

Pentium D (ペンティアムディー)

Pentium Dは、2005年にインテルが発表したx86アーキテクチャに基づくマイクロプロセッサです。このプロセッサは、2つのCPUダイを1つのパッケージに実装するデュアルコア設計が特徴で、主にPentium 4のコアを基盤しています。しかし、Pentium Extreme Editionとの兼ね合いから「ハイパースレッディング・テクノロジー」は無効化されています。

背景

Pentium Dの開発背景には、NetBurstアーキテクチャの限界がありました。シングルコアの性能向上に苦しんでいた中で、2つのコアを一つのパッケージに収めることで発熱と消費電力の問題を克服し、AMDのデュアルコア製品に対抗する戦略がありました。新しいプロセッサは2006年の夏にIntel Core 2の登場により主流市場での役割を終えましたが、生産は続けられました。しかし需要の減少に伴い、2007年12月7日で出荷が終了しました。このプロセッサは、Core 2 Duoなど後継の製品の登場に大きな影響を与えたといえます。

特徴

Pentium Dは、その性能や発熱に関してさまざまな特徴を持っています。1世代目であるSmithfieldは、90nmプロセスで製造され、2つのコアが隣接して配置されたダイを使用しています。この設計により、数世代前のシングルコア環境からの大きな転換を実現しました。特に、830と840モデルではEIST（Enhanced Intel SpeedStep Technology）が組み込まれており、軽負荷時に自動でクロックを下げる機能が付加されています。ただし、820モデルは固定クロックのままとなっています。

2006年に登場した第二世代のPreslerでは、65nmプロセスが採用され、L2キャッシュは各コアに2MBずつ、合計4MBに拡大されました。キャッシュサイズの増加は、アプリケーションのパフォーマンスに寄与しました。最初のモデルであったB-1では省電力機能に不具合がありましたが、その後のC-1で修正され、930Eや940の種類では高いクロック数を維持しつつTDPを大幅に低下させることに成功しました。この改善により、消費電力を引き下げ、発熱に対する対策が求められました。

対応チップセット

Pentium Dに対応するインテルのチップセットには、Intel 955X、945シリーズ、975Xが存在します。これらのチップセットは、Pentium Dの性能を支える基盤として機能します。

総論

Pentium Dは、インテルがデュアルコア技術に移行する際の重要なステップとなりました。シングルコアへの依存から脱却し、AMDとの競争に打ち勝つために、初めて2つのコアを使用した設計は、このプロセッサを特別な存在にしました。また、Core 2の登場によりさらなる進化が促されたものの、その影響は長期にわたります。Pentium Dは、後に登場したPentium Dual-CoreやCore 2 Duoシリーズの基礎を築いたともいえる存在です。

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