J・マイケル・ストラジンスキー

J. マイケル・ストラジンスキー

ジョゼフ・マイケル・ストラジンスキー（Joseph Michael Straczynski、1954年7月17日生）は、アメリカ合衆国を代表する多才な作家、テレビ・プロデューサー、および脚本家です。一般にはJ. マイケル・ストラジンスキー名義で活動しており、非公式にはジョー・ストラジンスキーやJMSとも称されています。

彼のキャリアは非常に幅広く、映画、小説、コミック、ラジオドラマなど、様々なメディアでその才能を発揮してきました。かつてはジャーナリストとして活動し、脚本家を目指す人々のための実践的な教科書『シナリオの書き方』（原題：The Complete Book of Scriptwriting）の著者としても高く評価されています。

彼の最も知られる功績の一つに、SFテレビドラマシリーズ『バビロン5』があります。ストラジンスキーはこのシリーズの脚本・総監督を務め、全110エピソードのうち実に92話の脚本を手がけました。さらに、並行して制作された5本のテレビ映画版の脚本も担当しています。このシリーズは、人物描写を重視したスペースオペラとして、また革新的なCGI技術をSFXに多用した先駆的作品としても知られ、エミー賞やヒューゴー賞など、数々の賞を受賞しました。

テレビ界での活動は『バビロン5』以前から始まっており、『He-Man and the Masters of the Universe』や『She-Ra: Princess of Power』といったアニメシリーズの脚本、また『トワイライト・ゾーン』（1985年版）や『ジェシカおばさんの事件簿』といった実写ドラマの脚本・プロデュースにも深く関わっています。『ジェシカおばさんの事件簿』では、視聴率低迷期にプロデューサーとして参加し、主人公の活動拠点を移すなどの刷新的なアプローチで番組を再建し、人気回復に貢献しました。

映画分野でも精力的に活動しており、『チェンジリング』（2008年）の脚本は特に高く評価され、英国アカデミー賞にノミネートされました。他にも、多くの企画で脚本を依頼される注目株であり、『WORLD WAR Z』や「シルヴァーサーファー」、『禁断の惑星』のリメイク版など、ジャンルを問わず多様な作品に携わっています。短期間で集中的に執筆する能力でも知られ、『ニンジャ・アサシン』の脚本草稿をわずか53時間で書き上げた逸話も残っています。

著作活動も盛んで、ホラー小説や短編小説、そしてジャーナリスト時代の膨大な記事（新聞や雑誌に500以上）があります。また、熱心なコミックファンとしても知られ、1980年代後半からコミック原作を手がけています。『バビロン5』関連作品に加え、マーベル・コミックでは長期シリーズ『アメイジング・スパイダーマン』（2001年-2007年）の原作を担当し、DCコミックスでも活動しました。

ストラジンスキーの特筆すべき点は、インターネット黎明期である1980年代中頃から、Usenetなどのオンラインフォーラムを通じてファンと積極的に交流したことです。彼は、インターネット上でファンと直接対話を行った最初のテレビプロデューサーの一人として認識されており、ファンの意見を自身の作品、特に『バビロン5』に反映させる試みを行いました。現在もソーシャルメディアを通じてファンとの交流を続けています。

サンディエゴ州立大学で心理学と社会学を学び、在学中は学生新聞に多数の記事を執筆したことから「デイリー・ジョー」と渾名されたこともあります。卒業後はサンディエゴでライターとして活動し、その後ロサンゼルスに移り、テレビ界でのキャリアを本格的にスタートさせました。現在はロサンゼルスに在住しています。

多岐にわたる分野での創作活動と、ファンとの密接なコミュニケーションを重視する姿勢は、現代のメディアクリエイターのあり方にも影響を与えたと言えるでしょう。その功績は高く評価され、彼の名が小惑星に冠される栄誉も得ています（小惑星8379 Straczynski）。

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