J-FRIDAY

『J-FRIDAY』は、愛知県を主な放送エリアとするFMラジオ局、ZIP-FMでかつて放送されていた金曜朝の看板番組です。2005年 4月1日に放送を開始し、約4年後の2009年 3月27日に最終回を迎えました。

番組の成り立ちと放送時間

この番組は、前身となる『MIDDAY FRIDAY』の放送時間を拡大・移行する形で誕生しました。『MIDDAY FRIDAY』は2004年 4月2日から2005年 3月25日まで、毎週金曜日の午前10時から午後2時までの4時間番組として放送されていました。

『J-FRIDAY』としてのスタート当初、2005年 4月1日から2007年 3月30日までは、金曜日の午前6時から正午までの6時間という長時間の放送でした。その後、2007年 4月6日からは放送開始時間が1時間繰り下がり、午前7時から正午までの5時間番組として、終了までこの体制が続きました。

出演者

番組の中心となったのは、ZIP-FMを代表するナビゲーターの一人、ジェイムス・ヘイブンスです。彼の個性的な語り口と番組進行が多くのリスナーを惹きつけました。また、フリーアナウンサーで気象予報士でもある橋本美穂も番組に出演し、「HEADLINE NEWS」や「WEATHER INFORMATION」などの情報コーナーを担当しました。特に、10時台の「平成観光 KNOW TEN KEY」コーナーでは、ジェイムスとの息の合った掛け合いも聞かれました。

多様なコーナー構成

番組は、ニュースや天気、交通情報といった基本情報に加え、音楽、地域情報、リスナー参加企画など、多岐にわたるコーナーで構成されていました。

主要コーナー（サーフボードプログラム）

TOYOTA WORLD WIDERS (7:45-8:15)
平日朝の情報番組『MORNING JACK』でも放送されていたコーナーの金曜日版。最大の特徴は、番組が全編英語で進行された点にあります。
GLOBAL HOME RUN WITH THE 80s (9:00-9:30)
毎週異なる1980年代のある年に焦点を当て、その年に起きた出来事や流行を振り返ります。当時のBillboard Hot 100やオリコンシングルチャート上位20曲を紹介し、その中から2曲をオンエアする音楽企画でした。
COLORFULTOWN presents 11AM (11:00-11:30)
「AM」は「Amazing Mother」の略。主に子育て世代の母親に向けた情報や企画を展開しました。名物コーナー「親ばか～ん」では、リスナーが我が子の自慢話を披露。ジェイムスが「親ばか～ん」か「親がばか～ん」かを判定し、「親ばか～ん」5回で「親ばか紙」獲得というルールがありました。
提供スポンサーであるカラフルタウン岐阜からは、年に数回、公開生放送も実施されました。

その他のショートプログラム

番組の随所に挿入される短時間のコーナーも充実しており、内容は時期によって変更されることもありました。

丸忠グループ TAKE YOU OUT (8:45)
リスナーから寄せられたイベント情報をジェイムスが紹介。
HAPPY BIRTHDAY (9:45)
放送日前後に誕生日を迎える有名人やリスナーを紹介。
平成観光 KNOW TEN KEY (10:01)
橋本美穂が担当し、リスナーからのリクエストに応じた場所の天気予報を伝えるコーナー。
* AIR FRANCE FRENCH DISCOVERY (10:45)
特定の情報を提供するショートコーナー。

番組を巡る出来事

『J-FRIDAY』は「1週間は金曜日から始まる」というキャッチフレーズを掲げ、リスナーの週末を盛り上げました。

放送開始当初の午前6時台は「ROBO 6-7（ロボシックス・セブン）」という企画コーナーとして放送され、「ロボ丸」というキャラクターが登場するユニークな試みでしたが、後に「ROBO 6-630」と短縮され、最終的には2006年3月に終了しました。

この番組の歴史において、最も特異で社会的な影響も大きかった出来事として、2007年5月18日に発生した長久手発砲立てこもり事件との関わりが挙げられます。事件発生中、犯人からZIP-FMに直接電話があり、ナビゲーターであるジェイムス・ヘイブンスとの会話を要求するという事態が発生しました。番組の放送が終了した後の午後2時頃、愛知県警察の捜査員らが立ち会う厳戒態勢の中、ジェイムスは犯人との電話での対話を開始しました。犯人が自身の境遇などを語る間、人質となっていた犯人の元妻が建物の高窓から脱出することに成功し、警察に保護されました。ジェイムスによる説得を含む対話が、人質の無事な救出、そしてその後の犯人逮捕という事件解決に向けた重要な局面で一助となったのです。この出来事は、ラジオ番組というメディアが有する可能性と、ナビゲーター個人の資質が思わぬ形で結びついた極めて稀な事例として、広く報じられました。

『J-FRIDAY』は、こうした劇的な出来事も経ながら、金曜日の朝を彩る人気番組としてリスナーに親しまれ続けました。2009年3月の放送終了により、その歴史に幕を下ろしましたが、特に事件対応のエピソードは、番組の存在意義を強く印象付けるものとなりました。

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