J.R.モンテローズ

J.R. モンテローズは、1927年1月19日にデトロイトで生まれ、1993年9月23日にラスベガスでその生涯を終えたアメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャンです。主にテナー・サクソフォーン奏者として活動しましたが、アレンジャーとしても才能を発揮しました。

彼の音楽キャリアは、華やかな大舞台よりも、アメリカやヨーロッパ各地の親密な雰囲気を持つ小さなジャズ・クラブを中心に展開されました。彼は生涯を通じてこのような場所を渡り歩き、自身の音楽を追求し続けました。商業的な成功よりも、自己の表現に重きを置く姿勢が、彼の活動の基盤となっていました。

モンテローズの演奏スタイルは極めて個性的で、一度聴けば忘れられない強烈な印象をリスナーに与えました。彼のサクソフォーンからは、鋭く歯切れの良いスタッカート、腹に響くような重厚な低音、そして技巧的でありながらも情感豊かな高音のフレージングが繰り出されました。これらの要素が融合することで生まれた独自のサウンドは、一部の熱心なジャズ愛好家から熱狂的な支持を集めましたが、そのあまりに個性的なスタイルゆえに、広く一般に知られる存在とはなりませんでした。

まさに「知る人ぞ知る」ミュージシャンであったため、彼の訃報さえも、1993年9月に他界した際、ジャズ専門誌でもほとんど報じられることがありませんでした。しかし、彼の遺した録音は、今なお多くのジャズファンに影響を与え続けています。

彼の音楽的遺産は、リーダー・アルバムや数多くの著名なミュージシャンとの共演作を通じて触れることができます。

主要ディスコグラフィ：

リーダー・アルバム：

Jaywalkin' (1955年、Fresh Sound)
『J.R.モンテローズ』 - J. R. Monterose (1956年、Blue Note)
『ザ・メッセージ』 - The Message (1959年、JARO) ※トミー・フラナガンとの共同名義。
Live at the Tender Trap (1963年、Fresh Sound) ※アル・ジャロウとの共演。
『イン・アクション』 - In Action (1964年、Studio 4)
Alive in Amsterdam Paradiso (1969年、Heavy soul music)
『ボディ・アンド・ソウル』 - Body and Soul (1970年、Munich)
『ラッシュ・ライフ』 - Welcome back JR (1979年、Progressive)
Live In Albany (1980年、Uptown)
...And a Little Pleasure (1981年、Uptown) ※トミー・フラナガンとの共同名義。
Bebop loose & Live (1981年、private)
『ティー・ティー・ティー』 - T. T. T. (1988年、Storyville)

参加アルバム：

ケニー・バレル - 『ケニー・バレル Vol.2』 (1956年、Blue Note)
エディ・バート - 『アンコール』 (1955年、Savoy)
エディ・バート - Montage (1955年、Savoy)
テディ・チャールズ - Teddy Charles N. D. Quartet Introducing J. R. Montrose (1955年、New Jazz)
テディ・チャールズ - 『テディ・チャールス・テンテット』 (1956年、Atlantic)
フレディ・デロンド - Spontaneous Effort (1990年、Igloo) ※フィリップ・カテリーン、ミシェル・エールらと共演。
ケニー・ドーハム - 『ザ・ジャズ・プロフェッツ』 (1956年、ABC-Paramount)
ケニー・ドーハム - 『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』 (1956年、Blue Note)
ジョン・アードレイ - Hey There (1955年、Prestige)
チャールズ・ミンガス - 『直立猿人』 (1956年、Atlantic)
ルネ・トーマ・クインテット - 『ギター・グルーヴ』 (1960年、Jazzland)
ジョージ・ウォーリントン・クインテット - 『手品師』 (1958年、East-West)

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