JAグループ神奈川ビル

JAグループ神奈川ビルの概要

JAグループ神奈川ビルは、神奈川県横浜市中区に所在する、JA（農業協同組合）関連団体が使用するオフィスビルです。この地には、かつて「神奈川県産業組合館」がありましたが、老朽化と耐震性の問題から建て替えられました。新しいビルは、歴史的な要素を継承しつつ、現代的な機能を取り入れた建築物となっています。

歴史的背景

1938年（昭和13年）に竣工した「神奈川県産業組合館」は、当時産業組合の事務所として利用されていました。1947年の農業協同組合法制定に伴い、1948年にその事務は神奈川県信用農業協同組合連合会（JA神奈川県信連）に引き継がれました。その後、産業組合館が手狭になったため、1961年に隣接地に「神奈川県中央農業会館」が建設されました。しかし、両建物の老朽化と耐震性の問題から、建て替えが決定されました。

この建て替えに先立ち、2013年には旧神奈川県産業組合館が横浜市認定歴史的建造物に指定され、その外観は保存・復元されることになりました。この決定により、過去の建築遺産を尊重し、次世代に継承する姿勢が示されました。

建築の特徴

JAグループ神奈川ビルは、第七種高度地区に位置しているため、通常は高さ制限がありますが、横浜市市街地環境設計制度の適用により、高さ44.95m、地上9階・地下1階の構造となっています。また、県の想定による慶長型地震の際の浸水対策として、1階は地面から0.8mの高さに設定されています。

ビル内部には、エントランスホール、農協観光の営業所、会議室のほか、JA三井リース、JA共済連、JA神奈川県厚生連、JA全農かながわ、JA神奈川県信連、JA神奈川県中央会、JA神奈川県連など、12のJA関連団体が事務所を構えています。以前は平塚市に本部があったJA全農かながわも、このビルに集約され、組織全体の連携強化が図られています。

旧神奈川県産業組合館は、清水組の施工により1938年に完成しました。鉄筋コンクリート造3階建てで、垂直性を強調した古典主義的なデザインが特徴です。建て替えの際には、この建物の外観が忠実に復元され、以前使用されていた建具や金庫も展示されています。これらの要素は、歴史的建造物の面影を今に伝えるとともに、訪れる人々に歴史的な価値を感じさせます。

立地条件

JAグループ神奈川ビルは、横浜税関（クイーンの塔）と神奈川県庁新庁舎の間に位置し、海側が中区海岸通1丁目、内陸側が同元浜町1丁目という町丁の境にまたがって建っています。ビルの西側には横浜税関前交差点があり、みなと大通りと交差しています。この交差点は、横浜市庁舎や横浜赤レンガ倉庫へのアクセスも容易にしています。最寄りの駅は、約100m離れた横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅です。この立地は、ビジネスや観光にとって非常に便利です。

このように、JAグループ神奈川ビルは、歴史的な背景を持つ場所で、現代的な機能性と過去の遺産を融合させた建築物です。多くのJA関連団体が入居し、地域経済の発展に貢献しています。

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