JABA広島大会

JABA広島大会は、公益財団法人日本野球連盟の中国地区連盟が主催し、広島県広島市を舞台に毎年開催されている社会人硬式野球の重要な大会の一つです。地区の社会人野球チームにとって、実力を測り高め合う機会となっています。

大会形式

本大会には、中国地区を中心に選抜された12チームが出場します。これらのチームは3チームずつ4つのグループに分けられ、まず予選リーグを戦います。リーグ戦では、各グループ内で総当たり戦が行われ、その成績に基づいて各グループの1位チームが決定されます。予選リーグを勝ち抜いた4チームは、ノックアウト方式による決勝トーナメントに進出します。準決勝、そして決勝と勝ち進み、最終的に大会の頂点に立つチームが決定されます。

開催時期と会場の変遷

大会は長年にわたり、例年5月中旬に開催されてきました。しかし、2013年には他の主要な社会人野球大会やプロ野球のオープン戦などの日程との調整が必要となったため、例外的に8月に開催された経緯があります。近年は再び5月中旬に戻っていることが多いようです。

大会の主会場も時代とともに変化してきました。かつては、広島の野球の歴史を長く見守ってきた旧広島市民球場を主要な開催球場として使用していました。しかし、同球場が2009年限りで閉鎖されたことに伴い、2010年からは会場構成が変更されました。予選リーグの試合は、主に広島県総合グランド野球場（コカ・コーラウエスト野球場として知られています）で行われることになり、決勝トーナメントは、広島東洋カープの現在の本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島で開催されるようになりました。ただし、2011年の大会においては、広島東洋カープファームが出場する一部の予選リーグ試合が、特別にMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島で行われた例もあります。

広島東洋カープファームの参加

JABA広島大会の最も特徴的な点の一つは、プロ野球チームである広島東洋カープの二軍（ファーム）が参加していることです。広島東洋カープファームは、2002年に日本野球連盟の公認大会にプロチームとして初めて出場し、その最初の舞台がこのJABA広島大会でした（この時は1回戦で三菱三原硬式野球クラブに2対3で敗れています）。この歴史的な出来事以来、広島東洋カープファームの継続的な参加が大会の「名物」となり、社会人チームとプロの若手選手たちが真剣勝負を繰り広げる場として注目を集めています。

カープファームの戦績

カープファームは本大会で顕著な成績を残しています。初めて参加した2002年は初戦敗退でしたが、翌2003年には早くも優勝を遂げました。その後も、2004年、2008年、2009年、2010年、2012年、2013年、2014年、2016年、2017年、そして2022年と、計11回の優勝を数えています。これは他の社会人チームを凌駕する圧倒的な成績であり、プロの力の片鱗を示すとともに、大会のレベル向上にも寄与しています。

優勝した年には、当時の若手有望株が多く活躍し、大会の最高殊勲選手賞や最優秀選手賞を受賞しています。例えば、2008年と2009年には鞘師智也選手、2010年には丸佳浩選手、2012年には中村真崇選手、2016年にはメヒア選手、2017年には高橋大樹選手、2022年には末包昇大選手がそれぞれ最高殊勲選手賞等に輝いています。これは、社会人チームとの対戦がカープの若手選手の育成の場としても機能していることを示唆しています。優勝以外にも、2005年には4強、2018年と2023年には準優勝（2018年にはメヒア選手、2023年には中村健人選手が敢闘賞を受賞）という成績を残しています。一方で、2006年、2007年、2015年、2019年には予選リーグで敗退するなど、社会人チームのレベルの高さに苦しむ年もありました。

近年の状況

2020年と2021年には、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、広島東洋カープファームは本大会への参加を見送りました。しかし、感染状況が落ち着いた2022年には再び参加し、見事優勝を飾るなど、カープファームの参加は大会の重要な要素であり続けています。

このように、JABA広島大会は、中国地区の社会人野球チームにとって年間を通じた目標の一つであるとともに、広島東洋カープファームとの交流や、プロを目指す若手選手の登竜門的な側面も持つ、 unique な大会と言えるでしょう。

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