JADレコード

JADレコードについて

JADレコード（JAD Records）は、1967年に設立されたアメリカ合衆国のレコード・レーベルです。このレーベルは、音楽界での影響力を持つ人々によって設立されました。共同創設者には、ジョニー・ナッシュ、プロデューサーのアーサー・ジェンキンス、実業家のダニー・シムズがいます。彼らの名前のイニシャルを取って名付けられたこのレーベルは、かつてはニューヨークを拠点としていました。

契約アーティストとその影響

JADレコードは、ジャマイカのレゲエ音楽シーンの重要なアーティストたちと強い関係を築きました。特に、ボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラー、リタ・マーリーといった伝説的なアーティストが、1968年から1972年にかけて長期にわたって契約を結んでいました。これにより、JADレコードはレゲエの歴史における重要な役割を果たすことになります。また、ジョニー・ナッシュ自身やバイロン・リー、ネヴィル・ウィロビー、ジミー・クリフなども契約アーティストとして名を連ねていました。

音楽の再制作とリリース

1996年には、JADレコードがボブ・マーリーの初期の楽曲を元にしたアルバム『Soul Almighty - The Formative Years Vol 1』をリリースしました。その後も『Black Progress - The Formative Years Vol 2』が続いて出されました。これらのアルバムは、1960年代のマーリーのボーカルトラックに新しいバックトラックを加えたもので、リタ・マーリーや息子のジギー、ザ・メロディ・メイカーズのメンバーが参加しました。しかし、この新たな音源に対するファンの反応は厳しく、レーベルは難しい立場に置かれました。

未発表音源とカタログの拡大

この逆境に直面したJADレコードは、画期的な『Complete Bob Marley & The Wailers 1967 to 1972』シリーズを立ち上げることにしました。このシリーズでは、ロジャー・ステフェンスとブルーノ・ブルムのプロデュースにより、240曲以上のオリジナル・トラックがリリースされました。その中には、100曲以上の未発表音源も含まれていました。こうした努力にもかかわらず、アイランド・レコードとの契約の下にある既存のトラックについては、リリースが許可されませんでした。

許諾の取得と新たなリリース

数年後、JADレコードはすべてのトラックの許諾を取得することに成功しました。これにより、その後リリースされる音楽セットには、ボブ・マーリーの知られざるトラックも含まれるようになりました。2004年には、JADレコードがユニバーサル・レコードと提携し、新たに改称されたJAD/ユニバーサル・レコードからのリイシューも行われ、幅広い音楽ファンに向けた再リリースが進められました。

結論

JADレコードの長い歴史は、レゲエ音楽の発展と多くの著名アーティストのキャリアに深く関わっています。このレーベルは、情熱と革新をもって音楽産業に貢献し続けており、アーティストたちの素晴らしい作品を世に送り出してきました。

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