JAZZY UPPER CUT

JAZZY UPPER CUT（ジャジーアッパーカット）は、1990年代初頭に東京のアンダーグラウンドシーンで異彩を放った日本のロックバンドです。多様な音楽的背景を持つメンバーが集結し、既存のジャンルにとらわれない独創的なサウンドを追求しました。

結成と初期の活動

1990年4月14日、日比谷野外音楽堂で開催されたJAGATARAの＜江戸アケミ追悼コンサート＞での「桑原延享＋石渡明廣＋早川岳晴＋角田健」の演奏を機にバンドは結成されました。当初は「JAZZY UPPER CUT from Cosmos」と名乗り、都内のライブハウスを中心に活動を展開。代々木CHOCOLATE CITYや原宿クロコダイルなどでライブを重ねるごとにメンバーを増やし、その都度変化する音楽性が魅力でした。

1991年1月26日には法政大学学生会館で行われた＜江戸アケミ一周忌コンサート＞に出演。7月には福居ショウジン監督作品 『Pinocchio√964』SPECIAL EVENT＞にも参加するなど、精力的に活動の幅を広げました。

アルバムリリースとDJ KRUSHの加入

1992年、1stアルバム『JAZZY UPPER CUT』を発表。このアルバムとライブにゲストとして参加していたDJ KRUSHが、その独創的なターンテーブルの演奏でバンドに新たな風を吹き込み、正式メンバーとして加入しました。同年12月26日には渋谷CLUB QUATTROでライブ・レコーディングを行い、その音源を1993年4月にライブ・アルバム 『QUIET NIGHT』としてリリースしました。

活動休止と再結成

精力的なライブ活動を続けていたJAZZY UPPER CUTですが、1994年6月に川崎CLUB CITTA'でのライブをもって活動を休止しました。その後、1996年7月24日に渋谷ON-AIR EAST、2015年1月29日に川田良の一周忌公演として高円寺SHOWBOATで再結成ライブを行いました。2024年4月7日には新宿LOFTで「JAZZY UPPER CUT＜復刻CDリリース記念LIVE＞」を開催し、往年のファンを魅了しました。

メンバー

桑原延享（ヴォーカル、トランペット）：大駱駝艦の舞踏手、映画「闇のカーニバル」主演俳優、JUNGLE'S、GAMBLE、DEEPCOUNTでも活動。
石渡明廣（ギター）：A-MUSIK、コクシネル、PUNGO、渋谷毅オーケストラ、渋さ知らズなどでも活動。
川田良（ギター）：ワースト・ノイズ、SEX、SYZE、SPEED、午前四時、JUNGLE'S、THE FOOLS|THE_FOOLS、LOVE LETTERS、WRU、DEEPCOUNT、THE PANTZなどでも活動。
早川岳晴（ベース）：生活向上委員会、ドクトル梅津バンド、片山広明バンド、コクシネル、ジョン・ゾーン・ユニット、リクオ&The Hookers、藤井郷子カルテット、CHABO BAND、翠川敬基デュオ、山田晃士&流浪の朝謡、麗蘭のサポートなど多岐に渡り活動。
角田健（ドラムス）：Monk's Mood、渋さ知らズなどで活動。
Tahi（パーカッション）
斉藤トオル（キーボード）：WRUでも活動。
寒川光一郎（サックス）：WRUのメンバーであり、ジャズ評論家としても活動。
TaRA（ヴォイス）
バラ（坂井原哲生）（ヴォイス）：MERZBOWでも活動。
DJ KRUSH（ターンテーブル）：日本におけるターンテーブル奏法のパイオニア。

ディスコグラフィ

『JAZZY UPPER CUT』（SPERMA BOYS／NUTMEG、1991年5月） - スタジオ・アルバムCD
『QUIET NIGHT』（PSY-CHO、1992年4月） - 1992年12月渋谷CLUB QUATTRO公演を収録したライブ・アルバムCD
『1992 Revisited』（Voltage／Unity、2024年5月） - 上記2作品を2枚組CDとして復刻。マスタリング・エンジニアは中村宗一郎。

もう一度検索