JL-2 (ミサイル)

JL-2 (Julang-2) 概要

JL-2（巨浪2号）は、中国が開発した潜水艦発射型の弾道ミサイルであり、アメリカ国防総省ではCSS-NX-14というコードネームが与えられています。開発は1980年代中頃に始まり、大陸間弾道ミサイル DF-31（東風31号）を基にした設計が採用されています。

基本仕様

JL-2は三段式の固体燃料ロケットを用いており、中国の晋型原子力潜水艦（094型）に12基のミサイルを搭載することが可能です。このミサイルは、従来のJL-1と比較して、射程や弾頭数の面で大幅に強化されています。JL-1は単弾頭で射程が約2,000kmでしたが、JL-2はおそらく3発以上のMIRV（Multiple Independently targetable Reentry Vehicle）能力を有しており、射程は推定で7,200kmから8,000kmに達することが予想されています。しかし、南シナ海を拠点とする晋型潜水艦からは、アメリカ合衆国本土には届かない距離です。

開発の経歴

JL-1の発射試験に使用された長城200号（031型通常動力弾道ミサイル潜水艦）がJL-2の試験も担い、1999年にはJL-2を発射するための改装を行いました。初めての試射は2002年8月に実施され、この時点で水中からの発射で到達射程は6,000kmでした。その後も2003年と2004年にかけて試射が行われ、ミサイルの性能が確認されました。

試験と事故

2010年1月の報道によれば、黄海で秘密裏に水中発射実験が行われましたが、その際、発射後のミサイルが正常に点火せず、海面に落下して長城200号に衝突、沈没寸前に至る事故が発生しました。潜水艦は応急修理を施され、母港へ帰還し、その後工場で修理が行われました。このような試射はしばしば課題が伴うもので、2012年には複数回の試射が行われ、2015年にも試験が実施されています。

作戦運用状況

2008年の時点で、アメリカ国防総省は2010年頃にはJL-2が作戦運用能力を持つと予測していましたが、開発の進捗は期待から遅れを見せました。2012年の試験で良好な結果が得られたのち、2015年にはJL-2を搭載した094型潜水艦が核抑止パトロールを開始しました。このように、実際には2015年から既に配備が始まっていました。

今後の展開

JL-2の開発の中には、海上から発射できる衛星攻撃兵器としての改修も検討されているという情報もあり、今後の動向に注目が集まっています。中国のミサイル技術の進展は、地域の安全保障状況に影響を与える可能性があるため、周辺国はこれを警戒しています。

関連項目

• - JL-1
• - JL-3

参考資料

• - アメリカ国防総省レポート (PDF)
• - 日本周辺国の軍事兵器

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