JR東日本651系電車

651系電車 (651けいでんしゃ)

651系電車は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運行する交直流特急形電車で、1988年から1990年にかけて製造されました。この車両は、特急「ひたち」で使用されていた485系電車の置き換えを目的としており、競合する高速バスに対抗するために開発されました。全長21,100mmの7両編成と4両編成で製造され、計99両が川崎重工業によって生産されました。

概要

651系の最大の特徴は、最高速度を130km/hに引き上げたことにあります。これにより、在来線特急列車としては初めて最高速度130km/hでの営業運転を達成しました（上野 - 日立間）。この車両の導入に伴い、運行の効率性が向上し、内外装デザインも評価され、1990年に第33回鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しました。651系は、国鉄時代の車両とは大きく異なる新設計の車両として位置づけられています。

車両構造

651系の車体は高耐候性鋼板で構成されており、一部にステンレスを使用。また、片側に2か所のドアを配置し、シートピッチを広く設計しています。このため、車体の全長は485系より600mm長い21,100mmです。外観はミルキーホワイトにサンドグレーの屋根、オリーブグリーンの帯が施されており、「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーがつけられていました。また、前頭部にはLED表示式のヘッドサインが搭載されており、表示内容は自由に変更可能です。

車内環境

車内は普通車とグリーン車に分かれており、普通車は2＋2のシート配置、グリーン車は2＋1の配置となっています。これにより、乗客は広い空間を楽しむことができます。床材は、普通車は通路部のみタイルカーペット敷き、グリーン車は全面タイルカーペットが敷かれています。グリーン車にはオーディオと液晶モニターが設置されているものの、衛星放送サービスは1997年の放送衛星の更新に伴って撤去されています。また、中間車モハ650-100には多目的室と車椅子対応座席も設けられています。

機器類

651系は交流直流両用電車で、主電動機はMT61形を採用。主な特徴として、従来の電車と異なり、界磁添加励磁制御を用いており、電力回生ブレーキにも対応しています。このため、省エネルギー化が図られているのも大きな特長です。さらに、先を見据えた設計で、全車両に乗務員支援のためのMON3形モニタ装置が搭載され、新たな機能も盛り込まれています。

番台別概説

651系は数回の改良を経て、0番台、100番台、1000番台と進化しました。最新の1000番台は185系の置き換え用として投入され、直流対応に改造されています。また、観光列車「伊豆クレイル」用に改造された編成も存在し、観光路線での運行も行われています。

運用状況

651系の運行は、常磐線を基盤に展開され、当初は特急「スーパーひたち」に使用されていました。しかし、2013年3月には全ての運用が新型車両に置き換えられ、その後は臨時列車や団体臨時列車にも利用されています。近年では、老朽化が進みつつあるものの、特定の路線での運行も今なお行われています。

650系電車は、日本の鉄道史において重要な地位を占めており、そのデザインや技術は多くの人々に支持されています。

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