JR東海311系電車

311系電車

概要

311系電車は、東海旅客鉄道（JR東海）が運行する直流近郊形の電車であり、1989年のダイヤ改正に合わせてデビューしました。この電車は金山総合駅の開業に伴い、新快速や快速列車の増発に対応するために設計されました。基本のデザインは211系5000番台に準じていますが、快速列車向けに座席の転換クロスシートなどが取り入れられるなどの工夫がなされています。311系は4両編成15本、合計60両が製造され、日本車輌製造、日立製作所、近畿車輛、川崎重工業が製造を担当しました。

構造

車体

311系の車体は軽量なステンレス鋼を使用しており、先頭部は繊維強化プラスチック（FRP）で覆われています。大きな曲面ガラスを採用した先頭デザインにより、車体が約100mm長くなっています。入出入り口は片側に3か所ずつ配置されており、すべて両開き扉になっています。客室窓には1段下降式の2連窓が一般的ですが、特定の編成では固定式の窓も使用されています。外観はJR東海のコーポレートカラーを基にしたもので、側面にはオレンジ色の帯が施されています。

車内

車内はグレーを基調にした内装が施され、全ての座席がクロスシート形式です。出入り口近くの座席は固定式で、車両中央部には転換式のクロスシートが配置されています。座席間隔は910mmで、ドア間には6列、車端部には2列の座席があります。照明はカバー付きで、客室全体に設置されています。クハ310形には和式トイレが設置されており、かつては公衆電話も備えられていましたが、現在は撤去されています。情報案内にはLED方式の表示装置が取り付けられており、列車の種別や行先などを表示します。

機器類

主電動機は211系と同じ直流整流子電動機を使用し、最高速度は120km/hです。制御方式には直並列組合せ抵抗制御と界磁添加励磁制御が採用されています。台車は軽量ボルスタレス型で高速運転に対応しており、ブレーキ方式は電気指令式空気ブレーキが使われています。保安装置には自動列車停止装置や緊急ブレーキ装置が搭載されており、安全性が確保されています。

編成

311系電車は数種類の編成が存在し、初期モデルからの更新により外観のディテールや内装色が変更されるなどの特徴があります。特に、1990年製の編成からは一部の窓が固定式に改造されています。

改造

車椅子対応の設備が整備されるなど、近年の改造が進んでおり、バリアフリー対応も改良されています。これにより、喜ばしい利用者を迎えることができるようになりました。

運用

311系電車は、新快速や普通列車での運用が中心であり、特に東海道本線で活躍していましたが、徐々に他の車両に置き換えられています。2022年には一部が廃車となり、316系に代替される動きが進んでいます。定期列車の他にも臨時列車としても運行された実績があります。

廃車

JR東海は315系による置き換えを進める計画を立てており、徐々に311系の運用も減少しています。この流れにより、2023年には複数の編成が廃車され、311系の活躍も終わりを迎えようとしています。

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