JR東海371系電車

371系電車の概要と運用

371系電車は、JR東海がかつて運用していた特急形直流電車です。この電車は、御殿場線および小田急電鉄小田原線の相互直通運転のために開発された、在来線用新型特急電車であり、7両一編成のみが製造されました。1991年度にはグッドデザイン商品に選定されるほど、デザインに優れた車両となっています。デザインは剣持デザイン研究所によって手掛けられました。

登場の背景

御殿場線では1950年代から小田急による準急列車が運行されていました。1968年に御殿場線の電化が進むと、SE車が導入され、急行「あさぎり」としての運行が開始されました。一方、国鉄も165系を使用した「ごてんば」という急行列車を運行していましたが、需要には応えられず、1985年には廃止されてしまいました。1990年代初頭には、御殿場線の利用者が増加したことから、小田急とJR東海間で新車両の導入や運行区間の延長が協議された結果、「あさぎり」特急の運行が決定しました。

車両特徴

371系の車体は全金属製で、先頭部の流線形デザインが特徴的です。各車両にはプラグドア式の扉が1ヶ所設けられ、側面窓は大きく取られています。車両の構造には、クモハ371形、モハ370形、モハ371形、サロハ371形の4形式が存在します。特にサロハ371形は2階建て構造で、グリーン車と普通車が併設されています。

車内の設計

車内は、すべての席がカーペット敷きで間接照明を採用し、快適な空間を提供します。グリーン車にはリクライニング機能付きの座席が配置され、居住性に配慮されています。一方、普通車もクッション性の高いリクライニングシートを採用しており、ゆったりとした空間を演出しています。

運用実績

371系は1991年から「あさぎり」として営業運転を開始し、静岡と新宿間の運行を行いました。運行の途中でのダイヤ改正や座席番号の表示方法が変更されることもありましたが、多くの利用者に愛された列車でした。しかし、相互乗り入れの終了に伴い、2012年に定期運用から外れることとなります。

臨時列車としての活躍

定期運用後は臨時列車として「さわやかウォーキングごてんばライナー」、「富士山トレイン371」など、様々なイベント列車で活躍しました。情報発信や観光促進の一環として、多くのイベントに参加しました。

富士急行への譲渡

最終的に371系は2015年に富士急行に譲渡され、8500系として改良が施されました。内外装のデザインが刷新され、「富士山ビュー特急」として再スタートしました。このように、371系電車はその運用開始から退役まで、多くの人々に記憶された特急車両となりました。

まとめ

372系電車は、JR東海及び富士急行で特急として活躍し、独自のデザインと快適な乗り心地で多くの利用者に愛された車両です。その後の活かし方にも注目が集まり、鉄道ファンや観光客にとっては特別な存在であり続けるでしょう。

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