JR西日本271系電車

271系電車についての詳細

271系電車（271けいでんしゃ）は、西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行する直流特急用の車両です。この車両は2020年3月14日に運用を開始し、関西国際空港と大阪、京都、滋賀県南部を結ぶ特急「はるか」専用に設計されています。

概要

関空と都市を結ぶ「はるか」は、開業以来281系の車両のみで運行されてきましたが、インバウンド需要の増加とともに、運用を拡大する必要が生じました。特に2020年の東京五輪や2025年の大阪・関西万博などの国際的イベントも影響し、JR西日本は60億円を投じて新たな車両増備を決定しました。

この決定により、新たに全ての特急「はるか」の列車が9両編成で運行されることになり、1列車あたりの座席数は1.5倍に増加しました。271系は新たに設計された車両を製造することとなり、3両編成×6本、合計18両が作られました。また、281系で行われていた「ハローキティ」のラッピングも引き継がれ全編成に施されています。

車体の構造

271系の車体は、JR西日本の287系を基にさまざまな改良が加えられています。基本的には3両編成で構成されつつも、必要に応じて6両編成も可能な設計がなされています。外観は287系を踏襲していますが、前照灯が運転台上部に搭載されていないほか、281系独自の「インバースデザイン」が採用されています。このデザインは、281系との併結性を高め、誤乗車を防ぐための工夫としても知られています。

車両の強度を高めるために、衝突対策や衝撃吸収構造が導入されており、特に衝撃吸収の効果を高める「フォールディングスリット」が採用されています。さらに、安全性を確保するために、EB-N装置や二重化されたATS機器を搭載しています。

走行機器の詳細

271系の主電動機は全閉式かご形三相誘導電動機であり、騒音を低減するための設計がされています。また、主回路装置は323系に準じたフルSiC-MOSFET素子を採用し、エネルギー効率を高める技術が取り入れられています。さらに、走行時に採用されたデジタル伝送システムにより、効率的なブレーキ制御が可能となっています。

車内の特徴

車内デザインでは、これまでの281系の華やかさを受け継ぎつつ、新しい技術が導入されています。多言語表示に対応した液晶ディスプレイが設置され、全ての座席にはコンセントが完備されているため、利用者の利便性が向上しました。天井も287系に比べて70mm高くなっています。

また、荷物置き場も大型スーツケース対応の2段式に進化し、防犯カメラが各車両に設置されています。さらに、車いす対応のトイレや、自動で水やハンドソープが出る洗面台など、快適性も考慮されています。フリーWi-Fiも利用でき、インターネット接続が可能です。

運用・編成状況

2025年4月1日現在、271系は全て吹田総合車両所日根野支所に配置され、281系とともに関空特急「はるか」として広範囲に運用されています。また、2031年開業予定のなにわ筋線への対応も考慮されています。

しかし、2020年のコロナ禍により一時運用が制限されましたが、2021年には運行が再開され、その後利用者が増加する中で9両編成の運転が拡充されています。特に、2023年には全ての付属編成が運用されることになりました。271系は、特急「はるか」として多くの旅客に親しまれています。

沿革

• - 2019年6月19日：特急「はるか」へ新型車両投入を発表。
• - 2020年3月14日：271系の運用開始。
• - 2021年3月13日：9両編成の運行が再開される。

このように271系電車は、現代のニーズに応える形で設計され、特急「はるか」として多くの利用者に支持されています。

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