JR貨物UT10C形コンテナ

UT10C形コンテナについて

UT10C形コンテナは、日本貨物鉄道（JR貨物）が輸送用に扱っている20フィートの私有タンクコンテナです。このコンテナの設計は、主に危険品の輸送を目的としており、その名称に「C」が付加されています。形式名の「10」は、コンテナの総容積に由来し、厳密には9.5〜10.4㎥の範囲にあるコンテナが対象となります。

概要

UT10C形コンテナは、危険物など特定用途の品を輸送するために設計されています。日本国内で広く利用されているこのタイプのコンテナは、他の貨物輸送手段と併用されることが多いです。特に化学薬品や石油製品など、取り扱いや保管に注意が必要な物品の運搬に使われます。コンテナの安全性を確保するため、設計には厳しい基準が設けられており、危険物輸送の需要に応じて多様なバリエーションが展開されています。

番台毎の概要

UT10C形コンテナは複数の番台に分かれており、それぞれ異なる用途のために使用されています。以下に主な番台の詳細を示します。

0番台

• - 0番台の概要：

- 1: 日陸が所有し、新日鐵化学で使用されているトリフェニル専用のコンテナです。
- 2: 日本石油輸送が所有しており、新日本石油が借用している潤滑油専用です。このタンクは楕円形で設計されています。
- 3: 日本陸運産業が所有するメタクリル酸アリル専用のコンテナです。
- 4〜10: 日産化学工業が所有し、液化アンモニア専用として使用されています。この容器の総重量は12.1tです。
- 11: 所有者不明です。
- 12・13: 日産化学工業所有のアンモニア専用で、総重量は12.1tです。
- 14: 所有者不明。
- 15〜21: 引き続き日産化学工業が管理するアンモニア専用コンテナです。

5000番台

• - 5000番台の概要：

- 5001・5002: 菱成産業が所有するベンズアルデヒド専用。
- 5003・5004: 日本石油輸送所有の潤滑油専用。後に脂肪酸専用に変更。
- 5005・5006: ポリプロピレングリコール専用で使用され、その後オルソジクロロベンゼン専用に変更されます。
- 5007: 複数の用途で所有者が異なる潤滑油専用コンテナ。
- 5012: 徳山石油化学が所有し、酢酸エチル専用とされています。
- 5013〜5155: 大阪合同通運や他の企業が所有し、オルソクレゾールやアクリルアマイド水溶液専用といった用途が存在します。

8000番台

• - 8000番台の概要：

- 8001・8002: 菱成産業と関東電化工業が関連し、塩化ビニリデン専用コンテナとして最大16.5tの重さになります。規格外の使用です。
- 8003: ニヤクコーポレーションが所有し、メトン液専用で最大14t、特定のルートで使用されます。
- 8004・8005: 三徳化学工業が過酸化水素水用の専用コンテナを所有しています。

以上がUT10C形コンテナの基礎情報とそれぞれの番台に関する解説です。それぞれの用途に応じた専門的な設定がされており、運送業界にとって不可欠な存在となっています。これにより、安全かつ効率的な貨物輸送が実現されるのです。

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