JR貨物UT17C形コンテナ

UT17C形コンテナの概要

UT17C形コンテナとは、2000年度に登場した日本貨物鉄道（JR貨物）の輸送用に設計された20フィートの私有タンクコンテナです。この形式は、特に危険物の輸送を目的としていることから、持続可能な輸送システムの提供を目指しています。

仕様

このコンテナの数字部位「17」は、その容積を表しており、具体的には約17㎥となっています。厳密には、容積は16.5～17.4㎥の範囲に収まる必要があります。また、形式末尾の「C」は危険品輸送を示すコードで、これにより利用用途が明瞭になります。

特徴と規制

UT17C形コンテナで特に多く登録されているのがエチレンの輸送用コンテナです。エチレンの比重が0.89と軽いことで、輸送効率とコストの観点から、できるだけ多くの荷物を積む必要があります。このため、エチレンは-15℃前後の冷却状態で液化されて運ばれるため、取り扱いが非常に難しい危険物とされているのです。

このコンテナは約7トンの自重を誇り、20トンを超える総重量であるため、貨物駅での取り扱いが限定されます。荷物の積み降ろしは大型フォークリフトによるものではなく、トップリフターによって行われるため、使用できる駅も制約が出てきます。

番台ごとの詳細

8000番台

• - 8001 - 8064（64個）: 2000年9月から12月にかけて日本車両で制作され、三菱化学物流が所有するエチレン専用コンテナです。特に、全高が2,591mm、最大総重量が21.6トンという規格外のサイズを有し、特定のコンテナ車（コキ200形、コキ106形）での運用に限定されています。運用は奥野谷浜駅と塩浜駅を結ぶ専用線で行われていましたが、2011年に運用が停止されました。

• - 8029 - 8064（36個）: 同様に三菱化学の需要に応じて、日触物流が新たな所有者となり、側面に「前」と「後」の表示がされています。

• - 8065: 2002年にこ製造され、最大総重量は21.07トンで、積載重量は14.27トンに設定されています。運用区間が特定の貨物ターミナルに限られているため、珍しい存在です。

8076 - 8093（18個）

2008年に製造されたこのグループも、液化酸化エチレン専用コンテナです。最大総重量は21.27トンで、定期的に輸送に使用される経路が設定されています。

8094 - 8095（2個）

信越化学工業専用として製作され、タンクの特徴を生かした設計により積載操作の簡易性が求められています。

8102 - 8132（31個）

これらは所有者不明ですが、液化酸化エチレン専用として登録されています。

8153 - 8164（12個）

2020年に制作され、日蝕物流所有の最新のコンテナ群として、さまざまな輸送ルートで使用されています。

おわりに

UT17C形コンテナは、日本の貨物輸送に不可欠な存在であり、多種多様な用途に対応できるように設計されています。その特異な構造や使用条件が、国内輸送の現場での効率的な商品流通に寄与していることは間違いありません。

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