JXビル

JXビル（旧新日鉄ビルヂング）の歴史

東京都千代田区大手町二丁目に位置していたJXビルは、その歴史の中でいくつかの変遷を辿りました。当初、「日本ビル別棟」として計画されたこの建物は、1967年6月に八幡製鐵が本社ビルとして全面使用することを決定したことで、その運命が大きく変わります。

建設から新日本製鐵時代へ

1967年9月に着工したこのビルは、建設中の1968年4月に八幡製鐵と富士製鐵の合併という大きな転換点を迎えます。これにより、建物名は新会社である新日本製鐵に合わせて「新日鐵ビルヂング」と改称されました。1970年2月25日に竣工し、同年3月には八幡・富士両社の本社機能が移転。3月31日には新会社発足の記念式典がこのビルで開催され、新たなスタートを切りました。

JXホールディングスへの移行

新日本製鐵は2009年に丸の内パークビルディングへ移転し、その後、ビル全体の大規模な改修工事が行われました。2010年には新日本石油と新日鉱ホールディングスが統合して発足したJXホールディングスがこのビルに入居し、名称も「JXビル」と改められました。この際、新日本石油本社前にあったプロメーテウス像も、ビルの脇に移設されています。

再開発と解体

JXホールディングスはその後、大手町一丁目のりそな・マルハビルの区分所有権を取得し、三菱地所と共同で建替え事業を進めました。そして2015年11月、「大手門タワー・JXビル」が竣工し、翌12月には本社機能が同ビルに移転しました。プロメーテウス像もこの時、新ビルに移設されています。その後、三菱地所による常盤橋地区再開発事業に伴い、JXビルは2017年から解体工事に入り、2018年までに解体されました。ただし、JXビルと一体化されていた地下駐車場と東京電力常盤橋変電所は解体対象外となり、再開発プロジェクトにおいて改修され、C棟として生まれ変わることになりました。

建築の特徴

新日鉄の希望により、建物の仕上げには同社の特殊鋼材が用いられ、その精度が高められました。また、室内照明は一般的なオフィスビルよりも明るい1000ルクスに設定されていました。地下には、常盤橋街区の他のビルと一体となって日本パーキングセンターが設けられていました。

現在の状況

JXビルがあった場所は、現在では常盤橋地区再開発の一環として再開発が進められています。この再開発地区は「TOKYO TORCH」と呼ばれ、その中核となる超高層ビル「常盤橋タワー」が建設されました。かつてJXビルが存在した場所は、新しい都市景観の一部として生まれ変わっています。

関連項目

TOKYO TORCH: 当地周辺で進行中の再開発地区。
常盤橋タワー: 当地に建設された超高層ビル。

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