J/FPS-2

J/FPS-2: 航空自衛隊の警戒管制レーダー

J/FPS-2は、日本の航空自衛隊において運用されている警戒管制レーダー装置です。このレーダーは大型の固定式3次元レーダーで、かつて使用されていたF-3D改とも呼ばれています。この装置は、日本電気によって製造され、国の防空能力を高めるために重要な役割を果たしています。

発展の歴史

J/FPS-2の開発は、昭和30年代にまで遡ります。日本では当初、捜索レーダーと測高レーダーの2つを組み合わせて目標の位置と高度を測定していましたが、その後の第2次防衛力整備計画で自動警戒管制組織（BADGE）が導入され、これらを一つのシステムで実現する3次元レーダーの必要性が高まりました。1972年から運用が始まったJ/FPS-1|J_FPS-1（F-3D）は、複数のアンテナで信号を受信して高度を算出する設計でしたが、その巨大なアンテナサイズが問題視されました。

課題とJ/FPS-2の設計

特に設置場所の制約がある基地では、その大きさが問題となり、遠距離探知能力を優先する結果、電波妨害への耐性が低下し、高度測定に誤差が出ることもありました。大湊分屯基地においてレーダーの更新が検討された際、これらの課題を解決するために新たに設計されたのがJ/FPS-2です。

本レーダーは移動警戒管制レーダーJ/TPS-100を基盤としており、開発の過程では技術研究本部を介することなく直接調達されました。これにより、従来のシステムに比べてコンパクトで整備性の高い装置が実現され、既存のレーダータワーにも改修を施すことで容易に設置することが可能となりました。

運用の歴史

J/FPS-2の初号機は大湊分屯基地に1980年4月から実用試験を経て同年12月に運用を開始しました。その後は年ごとに一基のペースで全国の各基地に導入され、平成2年度までには11サイトでの運用に至りました。

しかし、2000年代に入ると技術の進歩に伴う性能の陳腐化が問題とされ、一部の基地では後継機であるJ/FPS-5や新型のJ/FPS-7に更新が行われています。現在もJ/FPS-2は日本各地の基地に配備され、根室分屯基地や山田分屯基地などでその役割を担っています。

配備状況

具体的には、根室分屯基地（第26警戒隊）や御前崎分屯基地（第22警戒隊）など、いくつかの基地で運用されています。また、かつて配備された基地の多くも新しいレーダーに更新され、運用が継続されています。例えば、大湊分屯基地では2007年に他の最新型レーダーへの更新が実施されました。

結論

J/FPS-2は航空自衛隊の重要な防空システムであり、その開発と運用は技術革新と国の防衛政策の変遷を反映したものです。今後も新型機への更新が進むことが期待され、日本の防空能力を向上させる役割を果たしていくでしょう。

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