Jigdo

Jigdo（ジグドゥ）は、Debian GNU/Linuxのために開発された、独特なダウンロードユーティリティです。その主な役割は、複数のミラーサイトから必要なファイルを効率的にダウンロードし、最終的にディスクイメージを構築することにあります。このツールは、その名前が示すように、「ジグソーパズル（Jigsaw）」と「ダウンロード（Download）」という二つの言葉を組み合わせた造語であり、その動作原理を象徴しています。

Jigdoの基本的な使い方

Jigdoの利用は、通常、`jigdo-file`というユーティリティと共に行われます。まず、`imagename.jigdo`という比較的小さなファイルをダウンロードすることから始まります。この`.jigdo`ファイルは、ディスクイメージを構成するための「設計図」のようなものです。次に、`jigdo-file`ユーティリティを使い、先ほどダウンロードした`.jigdo`ファイルを指定して実行します。すると、このファイルに記述された情報に基づき、インターネット上のミラーサイトから必要な`.deb`ファイル群（`imagename.template`ファイルにも記述されている）がダウンロードされます。ダウンロードされたこれらのファイルは、最終的に`mkisofs`ユーティリティによってISOイメージとして構築されます。

Jigdoの利点とDebianでの活用

Debianでは、Jigdoを活用することで、CDイメージのミラーサイトを大量に用意する必要性を減らしています。従来のCDイメージミラーサイトは、1枚あたり約650MBのファイルを多数格納する必要があり、大量のディスク容量と帯域幅を消費します。DVDイメージとなると、その容量は4.7GBにも達します。しかし、Jigdoを使用すれば、各パッケージのミラーサイト（`apt-get`でアクセス可能）から必要なファイルをダウンロードするだけで、ディスクイメージを構築できるため、ミラーサイトの負担を大幅に軽減できます。

Fedoraでの採用

Debianだけでなく、FedoraもJigdoをダウンロード手法として採用しています。Fedora 9 Alpha以降、BitTorrentの代替手段としてJigdoが提供されるようになりました。また、Fedora 8のCDフォーマットについても、Jigdo版が作成されています。これにより、Fedoraのユーザーも、より効率的にISOイメージをダウンロードできるようになりました。

ライセンス

Jigdoは、GNU General Public Licenseに基づいてライセンスされており、オープンソースソフトウェアとして公開されています。

まとめ

Jigdoは、特に大規模なディスクイメージを効率的にダウンロードするための強力なツールです。その設計思想と機能は、特にDebianやFedoraのようなLinuxディストリビューションにおいて、ミラーサイトの負担軽減に大きく貢献しています。Jigdoの登場により、ユーザーはより少ないリソースで、必要なディスクイメージを簡単に手に入れることができるようになりました。

外部リンク

公式ホームページ
ダウンロードに関するリンクはここに追加'>jigdoをつかってDebian CDイメージをダウンロードする
Debian Jigdo mini-HOWTO
JigdoOSX Mac OS XへのJigdo移植

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