Jin Dogg

Jin Dogg (ジン・ドッグ) - 異彩を放つ大阪出身のラッパー

Jin Doggは、1990年9月10日に大阪府大阪市生野区桃谷で生まれたラッパーです。Snoop Doggと珍島犬(珍돗개)という韓国の犬種に由来する名前を持ち、本名はJake Yoonです。彼の音楽は、出自や経験からくる感情を、独特なスタイルで表現することで知られています。

生い立ちとアイデンティティの模索

母親が韓国出身、父親が在日2世という環境で育ったJin Doggは、幼少期からアイデンティティに悩む経験をしました。10歳で渡韓し、現地の日本人学校に通いますが、そこでは「日本人である」という理由からいじめを受けます。その経験から「グレた」時期もあったと語っています。音楽との出会いは早く、14歳違いの姉の影響でヒップホップに親しみ、小学5年生の頃から聴き始めました。中学時代には、スヌープ・ドッグなどのGファンクや、ノトーリアス・B.I.G.などに影響を受け、日本語ラップではZeebraやOZROSAURUSを聴いていたといいます。

キャリアの始まりと音楽性の変化

高校卒業後の2011年より、ライブやレコーディング活動を開始します。初期には『24 BARS TO KILL』の歌詞を英訳したものをレコーディングしていました。その後、地元の仲間たちとの出会いを通じて、WILYWNKAやYoung Cocoといったアーティストと知り合います。

2012年には初のEP『Welcome to Bang Bang I.K.N』を発表しますが、その後、違法薬物に関わる失敗から活動を休止します。この期間中、ラブホテルの清掃員などをして過ごし、自身の音楽性との矛盾に悩んでいたといいます。しかし、KOHHやMonyHorseといったアーティストの「ありのままを歌う」スタイルに触発され、新たな道を見出します。BonesやSuicideboysからの影響も受け、自身の音楽に反映させていきました。

2015年頃には、Young Yujiro(当時の名義はRadoo)と出会い意気投合、レーベル「Hibrid Entertainment」を共同設立し、ファーストミックステープ『1st High ～抱腹絶倒～』をリリース。この頃からトラップミュージックに触れ、音楽性はGファンクからトラップへと変化していきます。2017年にはセカンドミックステープ『2nd High』をリリースし、ホラー映画のようなイメージを追求しました。

2019年12月には、2枚組アルバム『SAD JAKE』『MAD JAKE』をリリース。激しさと感傷的さという二面性をテーマにした作品となりました。2023年12月には2ndアルバム『Blood&Bones (BLOOD)』をリリースし、2024年2月には対となるアルバム『Blood&Bones (BONES)』がリリースされています。

音楽性 - 関西弁を活かした独自のスタイル

Jin Doggの音楽制作スタイルは、リリックを書き溜めずにスタジオで感情を重視して仕上げるのが特徴です。音楽を自分なりのストレス発散方法として捉え、関西弁を生かした、話しているようなスタイルのラップを得意としています。好きなアーティストとしてBones、Smokepurpp、Ghostemaneなどを挙げ、影響を受けたアーティストとしてANARCHY、MACCHO、漢などを挙げています。

多岐にわたる活動

音楽活動以外にも、映画「Sin Clock」(2023年)に出演するなど、俳優としても活動しています。また、ABEMAのインターネットテレビ番組にも出演するなど、多岐にわたる活動を展開しています。

Jin Doggは、自身の経験や感情を赤裸々に表現するスタイルで、多くのリスナーを魅了しています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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