K-1 ROMANEX

ROMANEX 格闘技世界一決定戦



「ROMANEX 格闘技世界一決定戦」は、2004年5月22日に埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催された日本の総合格闘技大会です。キックボクシング団体K-1が主催し、当初は「K-1 MMA Championship ROMANEX」という名称で発表されました。この大会は、後にHERO'Sという格闘技イベントの前身となりました。

大会概要



この大会は、2003年末の格闘技イベント「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」でのK-1軍と新日本プロレス＆猪木軍の対戦をきっかけに企画されました。K-1軍と猪木軍の対戦をメインに、全9試合が組まれました。大会名「ROMANEX」は、「Roman（ロマン）」と「Extra（特別）」を組み合わせた造語で、アントニオ猪木の「戦いのロマン」という言葉に由来するとされています。大会はTBS系で2時間枠で録画中継され、平均視聴率は13.7%を記録しました。主催者発表では満員札止めとなりましたが、実際には不入りだったという報道もあります。

大会後、イベントプロデューサーは年内の複数回開催に意欲を示していましたが、結局、2回目の開催はなく、ROMANEXは単発のイベントとして終了しました。しかし、翌年にはTBS主催、FEG運営で、この大会を引き継ぐ形で総合格闘技イベントHERO'Sがスタートしました。HERO'Sでは前田日明がスーパーバイザーを務め、アントニオ猪木はROMANEXをもって、総合格闘技イベントから一時的に退くことになりました。

特筆すべき点として、この大会では、後にHERO'Sで禁止されることになるサッカーボールキックや4点ポジションでの膝蹴りが認められていました。メインイベントでは、藤田和之選手がボブ・サップ選手にサッカーボールキックで勝利するという衝撃的な結末を迎えました。

試合結果



以下に全試合の結果を記します。

オープニングファイト ROMANEXルール 5分2R


  • - ○ グラディエーター vs. アントニー・ハードンク ×
- 2R終了 判定3-0

第1試合 ROMANEXルール 5分3R


- 2R 4:44 TKO（タオル投入：グラウンドの膝蹴り）

第2試合 ROMANEXルール 5分3R


- 3R終了 判定2-1

第3試合 ROMANEXルール 5分3R


- 1R 1:22 KO（左フック→パウンド）

第4試合 ROMANEXルール 5分3R


- 1R 2:15 KO（マウントパンチ）

第5試合 ROMANEXルール 5分3R


- 1R 3:40 KO（膝蹴り→パウンド）

第6試合 ROMANEXルール 5分3R


  • - ○ BJ・ペン vs. ドゥエイン・ラドウィック ×
- 1R 1:45 肩固め

第7試合 ROMANEXルール 5分3R


- 1R 1:21 ノーコンテスト（偶然のバッティング）

第8試合 ROMANEXルール 5分3R


  • - ○ 中邑真輔 vs. アレクセイ・イグナショフ ×
- 2R 1:51 ギロチンチョーク

第9試合 ROMANEXルール 5分3R


- 1R 2:10 ギブアップ（サッカーボールキック）

商標権問題



大会発表当初は「K-1 MMA Championship ROMANEX 格闘技世界一決定戦」という名称でしたが、開催直前に「FieLDS ROMANEX」に変更されました。この背景には、当時K-1と対立関係にあったPRIDEを運営するドリームステージエンターテインメントがMMAの商標を登録していたことがありました。大会3日前に、ドリームステージエンターテインメントからK-1側へMMAの表記を使わないように要請があり、急遽大会名が変更されることになりました。しかし、DVDなどの映像ソフトは「ROMANEX 格闘技世界一決定戦」として販売されています。

まとめ



ROMANEXは、K-1が主催した単発の総合格闘技イベントでありながら、その後の格闘技界に大きな影響を与えました。特に、HERO'Sの設立やアントニオ猪木の総合格闘技からのフェードアウトなど、多くの転換点となった大会でした。また、サッカーボールキックが認められた最後の大会の一つとしても、その歴史に名を刻んでいます。

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