K-11 (航空機)

K-11艦上戦闘機

K-11は、川西機械製作所飛行機部（現在の川西航空機）が、大日本帝国海軍のために試作した艦上戦闘機です。この機体は、海軍が1926年4月に三菱航空機、中島飛行機、愛知時計電機に対して発令した一〇式艦上戦闘機の後継機を開発する競争試作の一環として開発されました。興味深いのは、川西が当初この命令を受けなかったにもかかわらず、自主的に試作機の開発に着手した点です。

開発は、関口英二技師を主設計者として進められました。1927年7月には、最初の試作機が完成し、その後各務原で飛行試験が行われました。この試験の結果を基に、1928年にはさらなる改修を施した改良型が1機製作されました。しかし、残念なことに海軍は中島飛行機の機体を選定し、このK-11は正式に採用されることはありませんでした。

K-11のデザインは、川西の以前の作品であるK-10旅客輸送機の系譜を受け継いでいます。そのため、軽金属製の骨組みを用いた胴体と木製骨組みの翼を備えた複座複葉機としての特性を保持しています。降着装置には滑水板を持つ固定脚を採用しており、操縦席の両側面にはラジエーターが装備されていました。また、角型の垂直尾翼やフラップ兼用補助翼など、多くの独自の特徴を備えています。

試作機は不採用となった後に郵便機に改造され、川西の所有機として利用されました。1928年9月から10月の期間中、大阪から京城（現・ソウル）、さらには大連（現・大連市）への試験的な郵便飛行が実施されました。

諸元

• - 全長: 7.88 m
• - 全幅: 10.80 m
• - 全高: 3.28 m
• - 主翼面積: 33.8 m²
• - 自重: 1,170 kg
• - 全備重量: 1,750 kg
• - エンジン: BMW-6 水冷V型12気筒（離昇630 hp） × 1
• - 最大速度: 259 km/h
• - 実用上昇限度: 9,000 m
• - 航続時間: 3.5時間
• - 武装: 7.7mm固定機銃 × 1
• - 乗員: 1名

K-11に関する参考文献としては、野沢正著『日本航空機総集 川西・広廠篇』があり、1959年に出版されています。この書籍の66-70頁には、K-11に関する詳細な情報が記載されています。関連項目としては、鷹型試作艦上戦闘機や仮称H式艦上戦闘機が挙げられます。

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