K-14 (航空機)

K-14初級滑空機の概要

K-14は、日本で開発された初級滑空機で、特に戦時中と戦後の航空教育に関わる重要な役割を果たしました。この機体は、戦時中の1944年に日本小型航空機と三菱重工業の技術者によって設計され、文部省式1型の後継機として計画されました。

背景

1944年、戦争が続く中、文部省は新しい初級滑空機の開発に着手しました。この計画では、日本小型の宮原旭技師長と三菱重工業の本庄季郎技師が中心的な役割を果たし、同年内に試作機の製作に成功しました。試作1号機と改良版の試作2号機は実地でのテストを経て、教育機材用の部品表と製作図面が整備されましたが、残念ながら量産には至りませんでした。

初期のK-14は、戦時中にごく少数が海軍で飛行訓練に使用されたという記録が残っており、陸軍でも「ク14」という名称で用いられたことがあります。戦争終結後、GHQの指令により、多くの航空機関連の設備が廃棄されることになりましたが、K-14の設計図は宮原技師により保管されていたため、焼却を免れました。

戦後の展開

1953年、GHQにより航空機の再生産が許可され、K-14の改設計が行われました。この改良版として「霧ヶ峰式はとK-14型」が誕生し、これにより強度や操縦性が向上しました。東京合板化工により10機が製造され、日本学生航空連盟（学練）などで使用されました。これ以降も生産は続き、教育機関や大学でも幅広く利用されました。

霧ヶ峰式はとK-14型は後に、胴体が改良されたモデルが開発され、ナセルと曳航用レリーズを取り付けた「霧ヶ峰式はとK-14A型」や、2人乗りの「霧ヶ峰式やまどり型」が登場しました。また、モーターグライダー型も存在し、本田技研製のエンジンを搭載したモデルも一部存在しました。

現在の展示

現代においても、K-14は日本の航空史の中で重要な位置を占めています。いくつかの博物館では、霧ヶ峰式はとK-14型の実機が展示されており、具体的な例として滝川市航空動態博物館や所沢航空発祥記念館があげられます。また、諏訪市霧ヶ峰グライダーふれあい館では、霧ヶ峰式はとK-14型とその後継機の実物を見ることができます。

諸元（霧ヶ峰式はとK-14型）

• - 全長: 6.40 m
• - 全幅: 10.00 m
• - 全高: 2.185 m
• - 主翼面積: 12.5 m²
• - 自重: 80 kg
• - 全備重量: 140 kg
• - 最良滑空速度: 45 km/h
• - 翼面荷重: 11.2 kg/m²
• - 乗員: 1名

このように、K-14は日本の航空教育において重要な役割を果たしており、過去から現在にかけて多くのエンジニアや学生に愛用されてきました。

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