K5 (拳銃)

K5拳銃：韓国国産拳銃の進化と多様な展開

大宇精密工業（現S&T Motiv）が開発したK5は、韓国初の国産拳銃として知られています。1990年代から韓国軍に採用され、DP51という名称で輸出もされました。本銃は、トリプルアクションと呼ばれる独自の機構が特徴です。これはFNハースタル社の特許技術を応用したもので、ダブルアクションとシングルアクションの両方の利点を兼ね備えています。トリガーを引くとハンマーが作動し発砲しますが、コックされたハンマーを手動で戻すことも可能です。この状態ではトリガーを引く抵抗が軽減され、軽い力で発射できます。安全性の高いダブルアクション、正確な射撃に適したシングルアクションの両方を使い分けられる点が大きなメリットです。

K5の機構と特徴

K5のフレームは軽量なアルミニウム合金製、銃身やスライドは耐久性の高い鋼鉄製です。照準器は3点式のアイアンサイトを採用し、シンプルで確実な照準を可能にしています。安全装置はレバー式で、グリップの両側上部に配置されています。標準弾倉は13発装弾可能ですが、スミス＆ウェッソン5906の15発弾倉も使用できます。装弾方式はショートリコイル方式です。

多様なバリエーション

K5は、軍用モデル以外にも様々な派生型が存在します。

K5: 韓国軍や海洋警察庁で採用されている標準モデルです。
屈折型: 国防科学研究所が開発した特殊モデル。コーナーショットを参考に、銃身を左右60度まで屈折させることができます。特殊作戦部隊などで使用が想定されます。
DP51: 民間市場向けのモデルで、DP51B、DP51C、DP51Sなどの派生型があります。DP51Cは小型化され、装弾数が10発に減少しています。DP51SはDP51のフレームにDP51Cの銃身を組み合わせたモデルです。
DH40: .40S&W弾を使用するモデル。装弾数は11発です。
DP45、DP45 MkII: .45ACP弾を使用するモデル。試作段階にとどまりました。
LH9: アメリカのLionheart Industries社がライセンス生産したモデル(既に廃盤)。
* REGULUS: LH9の後継モデルで、現在アメリカで生産されています。

世界への展開と登場作品

K5は韓国だけでなく、タイなどでも採用されています。また、ゲーム『ドールズフロントライン』にも「K5」という名称の星4HG戦術人形として登場しています。

まとめ

K5は、韓国の防衛産業技術の高さを示す象徴的な拳銃です。独自のトリプルアクション機構、多様なバリエーション、そして海外への輸出など、その存在感は無視できません。軍用モデルから民間向けモデル、そして海外ライセンス生産まで、幅広い展開を見せるK5は、今後もその地位を確固たるものとしていくでしょう。軽量で扱いやすい設計、高い信頼性、そして多様なバリエーションは、K5の大きな魅力となっています。今後、更なる改良や派生型の開発が期待されます。

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