KAI (声楽家)

KAI：クラシックとポップスを融合する実力派バリトン 歌手

KAI（カイ）は、1981年 12月5日生まれの韓国出身の男性声楽家です。本名はチョン・ギヨル。ソウル特別市出身で、音楽教師の母から幼少期に音楽教育を受けました。ギターやサックスにも挑戦しましたが、歌うことへの情熱が勝り、人前で歌声を披露することに喜びを感じていました。

幼少期から類まれな音楽の才能を示し、小学1年生の頃からソプラノ歌手のスミ・ジョーの大ファンでした。彼女のコンサートへは、1時間以上もバスに乗って一人で行っていたほどです。7歳の時には、憧れの存在であるスミ・ジョーから直接サインをもらうという幸運にも恵まれています。

KAIの芸名は、スミ・ジョーによって名付けられました。それ以前は、本名からとった「ギョル」を芸名として使用していました。身長182cm、体重70kgの持ち主で、ソウル大学校声楽科で博士号を取得するなど、本格的な音楽教育を受けています。

彼の音楽活動は、クラシック音楽にとどまりません。ポップスやミュージカルなど、ジャンルを超えた幅広い活動で知られており、メディアではミュージカル俳優、ポップスオペラ歌手、クロスオーバー歌手など、様々な肩書で紹介されています。ピアノ演奏をしながら歌うことも得意としています。

KAIは、韓国のEA&Cに所属し、韓国ユニバーサルクラシックス&ジャズがレコードレーベルとなっています。日本では、スペラが所属事務所、ユニバーサルクラシックスのデッカ・レコードがレコードレーベルです。

音楽への情熱と多様な活動

KAIの音楽への情熱は並々ならぬものでした。幼少期から音楽に囲まれた環境で育ち、日本と韓国を行き来しながら音楽活動を夢見ていました。小学2、3年生の頃から童謡コンクールに積極的に出場するようになり、音楽への道を歩み始めます。

彼は日本の文化にも造詣が深く、納豆や梅干しなど日本食を愛し、『のだめカンタービレ』や小田和正、AKB48などの日本の音楽や映画を鑑賞しながら、独学で日本語を習得しました。ミュージカル出演に備え、『ベルサイユのばら』などの日本の漫画を読むなど、役作りにも熱心に取り組んでいます。来日時は代々木公園を訪れることが多く、日本の好きな場所は京都府と語っています。

趣味は登山、ジョギング、旅行です。韓国でのテレビ番組出演時には、同じ芸名を持つアイドルグループEXOのカイと電話で話すなど、音楽界の垣根を越えた交流も持っています。BIGBANGやSE7ENなど、著名なアーティストとも親交があります。また、ソウル大学校声楽科時代の先輩であるリュ・ジョンハンや、後輩のミュージカル女優キム・ソヒョン（同姓同名の人物とは別人）とは卒業後も良好な関係を続けています。学生時代にはイタリアで音楽を学ぶ経験も積んでいます。

数々の受賞歴と華麗なキャリア

KAIは、数々のコンクールで高い評価を得ています。2002年にはシューベルト国際コンクールで優勝。その後、スミ・ジョーからコンサートパートナーとしてオファーを受け、全韓ツアーに同行し共演を果たしました。所属事務所の倒産を機に、スミ・ジョーから名付けられた「KAI」という芸名で活動を再開しました。

2009年には韓国のユニバーサルミュージックと契約し、キム・ヒョンソクプロデュースによるデビューシングル『パニッシュメント』で韓国デビューを果たしました。その後、2012年には日本デビューシングル『愛は深く』を発表し、日本でも高い人気を獲得しました。2017年には、ミュージカル『ザ・ラスト・キス』でオーストリア皇太子ルドルフ役をEXOのスホ、VIXXのレオとトリプルキャストで演じるなど、ミュージカル俳優としても活躍の場を広げています。

ディスコグラフィと出演作品

KAIは、数多くのデジタルシングル、シングル、アルバムを発表しています。代表的な作品としては、『パニッシュメント』（キム・ヒョンソクプロデュース）、『愛は深く』（松井五郎作詞）、アルバム『I Am KAI』『愛という名前』『KAI IN ITALY』などがあります。

さらに、コンサート、ミュージカル、演劇、テレビ番組、ラジオ番組、雑誌など、多岐にわたるメディアに出演し、幅広い層のファンを獲得しています。出演したミュージカルには、『サ・ビ・タ～愛は雨に乗って～』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』『二都物語』『ドラキュラ』『マリー・アントワネット』『ファントム』『アリラン』『三銃士』『ジャック・ザ・リッパー』『モンテ・クリスト』『ベン・ハー』『ザ・ラスト・キス』『フランケンシュタイン』など、数多くの作品があります。

KAIは、クラシック音楽の素養を活かしつつ、ポップスやミュージカルなど様々なジャンルに挑戦し続ける、類まれな才能を持つアーティストです。彼の今後の活躍から目が離せません。

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