KAMISEYA PARK

KAMISEYA PARK

KAMISEYA PARK（カミセヤパーク）は、神奈川県横浜市旭区および瀬谷区にまたがる旧上瀬谷通信施設跡地に計画されている、テーマパークを核とした大規模な複合施設の仮称です。

計画の背景と経緯

広大な上瀬谷通信施設は、2015年に在日アメリカ海軍から日本へ返還されました。この跡地の活用策として、横浜市は「テーマパークを中核とした複合的な集客施設」の誘致を決定し、2023年2月24日から事業者の公募を実施しました。その結果、同年9月14日には三菱地所株式会社が事業予定者として選定されています。跡地では、2027年に国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」が開催されることになっており、KAMISEYA PARKの本格的な整備は博覧会閉幕後から開始される予定です。三菱地所は、博覧会終了後の2028年頃に基本計画に関する協定を締結し、工事に着手するスケジュールを描いており、施設の開業は2031年頃を目指しています。

開発コンセプトと内容

三菱地所を中心とする事業者の開発案は、「GREEN×EXPO 2027」のレガシー（遺産）を継承することを重要な要素としています。計画の中心は、日本の持つ魅力的なコンテンツと最先端のジャパンテクノロジーを駆使した「次世代型テーマパーク」です。このテーマパークを核として、周辺地域を含めた新たな「まちづくり」を展開する構想であり、特に最先端のGX（グリーントランスフォーメーション）およびDX（デジタルトランスフォーメーション）技術を実装したスマートシティ機能の実現も計画されています。

施設の規模と構成

開発全体の敷地面積は約706,500平方メートルに及びます。この広大な土地は機能別にゾーニングされており、最も広大なエリアを占めるのがテーマパークゾーンで、約514,000平方メートルが充てられます。その他に、駅前ゾーン（約70,000平方メートル）、公園隣接ゾーン（約65,500平方メートル）、環4西ゾーン（約57,000平方メートル）などが計画に含まれています。

テーマパークと周辺施設

中心となるテーマパークゾーンでは、最先端技術を活用したアトラクションなどが導入され、仮想空間体験など、幅広い世代がその世界観に深く没入して楽しめるような施設が計画されています。テーマパークの周囲には、来場者の利便性を高めるため、グッズショップやコンビニエンスストアといった商業施設が整備される予定です。

集客目標と交通アクセス

開業初年度には年間約1200万人の来場者を見込んでおり、将来的には1500万人を超える来場者数を目指す、大規模な集客を見込む計画です。多くの来場者を受け入れるため、交通アクセスも重点的に整備されます。鉄道駅や主要ターミナル駅、空港などからのシャトルバスを受け入れるための駅前広場やバスターミナルの整備が計画されているほか、自家用車で訪れる来場者向けに約4,500台規模の駐車場、自転車での来場者向けに約450台の駐輪場が設けられる予定です。

新たな交通システムの導入計画

横浜市は、KAMISEYA PARKへの主要なアクセス手段として、新たな交通システムの導入を計画しています。2024年2月に公表されたこの計画は、相模鉄道瀬谷駅周辺から上瀬谷地区付近まで専用の地下トンネルを整備し、そこで連節バスを隊列走行させることで大量輸送を実現するというものです。定員約120人の連節バスを最大3台まで隊列走行させることで、1時間あたり片道9,000人という高い輸送力を確保することを目指しています。将来的な自動運転技術の導入も視野に入れられており、2030年代前半の供用開始を目標としています。この連節バス導入は、テーマパークへのアクセス向上だけでなく、環状4号線を活用した十日市場駅方面や立場駅方面への接続など、市西部地域の交通ネットワーク全体の充実にも寄与することが考慮されています。

事業を推進する企業連合

この大規模プロジェクトを推進するため、2024年3月には事業予定者である三菱地所株式会社に加え、相鉄ホールディングス株式会社、東急株式会社、東急不動産株式会社、三菱倉庫株式会社の計5社からなる企業連合が設立されたことが発表されました。各社の持つ専門知識や経験を結集し、計画の実現を目指す体制が構築されています。

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