KAPPA-ONE

KAPPA-ONEとKAPPA-TWO：光文社による小説新人発掘企画

KAPPA-ONE（カッパ・ワン）は、光文社が主催していた長編小説の公募新人賞です。正式名称はKAPPA-ONE登龍門（カッパ・ワンとうりゅうもん）。惜しまれつつも2007年を最後に実質休止となりましたが、2014年からは本格ミステリに特化した後継企画、KAPPA-TWO（カッパ・ツー、Kappa-II）がスタートしました。

KAPPA-ONEの概要

KAPPA-ONEという名称には「Our New Entertainment」という意味が込められています。ジャンルは不問で、長編小説を広く募集していました。応募規定は、400字詰め原稿用紙換算で200枚以上1000枚以内。締め切りは毎年6月末日と12月末日の年2回。講談社のメフィスト賞と同様に、編集者が応募作品を審査する方式を採用していました。プロ・アマを問わないという点も特徴で、既に書籍を刊行していた作家もKAPPA-ONEから作品を発表しています。

受賞作品はすべて、光文社のカッパ・ノベルスから刊行されていました。

特筆すべきは、初回のみ純粋な公募ではなく、光文社文庫の公募アンソロジー『本格推理』に掲載されたことのあるアマチュア作家から選出された4名（石持浅海、林泰広、東川篤哉、加賀美雅之）の書き下ろし長編が、KAPPA-ONEの第一期として刊行されたことです。これらの作品はすべて推理小説でしたが、KAPPA-ONE自体は推理小説専門の賞というわけではありませんでした。KAPPA-ONEから刊行された全14作品のうち、推理小説は半数の7作品です。

KAPPA-TWOの概要

KAPPA-TWOは、『ジャーロ』No.52 2014 AUTUMN-WINTERにて開始が発表されました。KAPPA-ONEとは異なり、本格ミステリ作品のみを対象としています。また、毎年の開催ではない点も特徴です。応募規定は、400字詰め原稿用紙換算で250枚以上550枚以内。選考委員は、KAPPA-ONE出身の東川篤哉と石持浅海が務めています。受賞作は単行本として刊行されています。

関連情報

弐藤水流の『リビドヲ』(2009年6月 光文社 / 2012年9月 光文社文庫)は、KAPPA-ONEから刊行された作品ではありませんが、鈴木光司と平山夢明が推薦文を寄せています。

編集者が応募作を審査するという点で共通する新人賞としては、講談社のメフィスト賞（2006年から一時休刊していたため、詠坂雄二はKAPPA-ONEに目標を変更したとのこと）や、角川書店のカドカワエンタテインメントNext賞（現在は中止）などが挙げられます。

外部リンク

• - KAPPA-ONE登龍門 募集要項
• - 光文社エンタテインメント Blog - KAPPA-ONEの選考経過や選考結果の一部が掲載
• - 《公募》 新人発掘プロジェクト カッパ・ツー 応募要項 | ジャーロ | 光文社

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