Kate

Kateは、KDE（K Desktop Environment）プロジェクトが提供する高機能なテキストエディタです。その名称「Kate」は、「KDE Advanced Text Editor」の頭文字を取ったものです。2002年8月15日のKDEリリース2.2から、kdebaseパッケージの一部としてKDE環境に組み込まれ、KDEアプリケーションになくてはならない存在となっています。

Kateの概要

Kateは、KDEのコンポーネント技術であるKPartsを活用しており、他のKDEアプリケーションにテキスト編集コンポーネントとして組み込むことができます。これにより、KDevelop（統合開発環境）やQuanta Plus（ウェブ開発環境）といった、KDEの主要なアプリケーションで、Kateの編集機能を活用することが可能です。また、2016年現在では、Windows版とmacOS版のプレビューリリースも提供されており、KDE環境以外のユーザーもKateの恩恵を受けられるようになっています。

Kateの特徴

Kateの主な特徴は、以下の通りです。

拡張可能なシンタックスハイライトエンジン: XMLファイルを介して、様々なプログラミング言語やマークアップ言語のシンタックスハイライトを拡張できます。これにより、多様なファイル形式を快適に編集できます。
正規表現を使った高度な検索と置換: 正規表現を駆使した強力な検索・置換機能により、複雑な文字列操作を効率的に行うことができます。これは、大規模なコードやテキストの編集に役立ちます。
コードの折り畳み機能: Java、C++、C、PHP、Pythonなどの主要なプログラミング言語に対して、コードの折り畳み機能が利用できます。これにより、複雑なコード構造も視覚的に整理し、可読性を向上させることが可能です。
統合されたシェル: ターミナルエミュレータを内蔵しており、Kateから直接コマンドを実行できます。これにより、エディタから離れることなく、ファイル操作やビルド作業を行うことができます。
複数文書の同時編集: 複数の文書を一つのウィンドウ内でタブとして開いて編集できます。これにより、複数のファイルを同時に扱い、効率的な作業が可能です。
名前付きセッションのサポート: （KDEバージョン2.5までは「プロジェクト」として知られていた）作業中の編集状態をセッションとして保存・復元できます。これにより、作業の中断・再開がスムーズに行えます。
プラグインによる機能拡張: プラグインシステムを搭載しており、様々な機能を拡張できます。これにより、ユーザーのニーズに合わせてKateをカスタマイズすることが可能です。
基本的な文字補完: コードの入力時に、自動的に文字を補完する機能があります。これにより、コーディングの効率化が図れます。
テキスト編集のドラッグアンドドロップ: テキストのドラッグアンドドロップによる編集が可能です。
中黒（・）は空白を表すのに使用: テキスト中に空白が必要な場合、中黒を使用します。

Kateは、豊富な機能を持ちながらも、動作が軽快で、プログラマーから一般ユーザーまで幅広く活用できるテキストエディタです。KDE環境で利用できるだけでなく、WindowsやmacOSでもプレビュー版がリリースされており、より多くのユーザーに利用されることが期待されます。

関連項目

KEdit
KWrite

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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