KDDIビル

KDDIビルは、新宿高層ビル街を象徴する超高層ビルの一つであり、かつて国際電信電話（KDD）の本社として建設されました。現在もKDDIの登記上の本店として、重要な役割を担っています。旧称は国際通信センタービル（KDD本社ビル）として知られていました。

概要

このビルは、新宿の高層ビル群の中でも特に目立つ存在で、メタリックシルバーの色調で覆われた外観が特徴です。正四角柱のような形状を持ち、幅と奥行きがほぼ同じという独特のデザインです。建設当時から、重要なライフラインである通信機器設備を収容しており、関東大震災クラスの10倍の地震にも耐えうる頑強な構造が話題となりました。この耐震構造は、後の日本の高層ビル建築に大きな影響を与えたと言われています。また、1974年から1985年までは、31階にFM東京の本社・演奏所が置かれていました。

歴史

1974年 - 国際電信電話（KDD）のオフィスビルとして建設されました。
1976年 - 第17回BCS賞を受賞しました。
1985年 - FM東京が千代田区麹町に移転したため、31階から退去しました。
2000年10月1日 - KDDとDDI・IDOの合併によりKDDIが発足し、KDDIの本社機能所在地となり、「KDDIビル」に名称が変更されました。
2001年4月1日 - KDDIの登記上本店および本社がKDDIビルに移転しました。
2001年9月 - 有利子負債削減のため、KDDIが旧KDDのビル4棟の所有権を特別目的会社に売却し証券化しました。
2003年 - KDDI本社が飯田橋のガーデンエアタワーへ移転しましたが、登記上本店はKDDIビルに留まりました。
2008年 - 所有権を買い戻し、再びKDDIの自社所有となりました。

主な施設

低層階の多くは、サーバ、ルータ、ハブなどの通信機器室として利用されており、窓枠状にデザインされた部分のガラス窓が少ないのが特徴です。高層階は事務スペースとして利用され、通信機器の運用部門、コールセンター（auの電話受付センター）、au携帯電話の契約センターなどが入居しています。かつては0051国際オペレータ電話の交換室もありました。

地下1階は新宿歩行者専用地下通路（シーズンロード）と直結しており、社員食堂および売店がありますが、関係者以外は利用できません。地下2階には社員用の体育館がありましたが、現在は使用されていません。

アネックス（別館）

甲州街道沿いには、1991年に竣工した5階建ての「KDDIアネックスビル」があります。この別館にはテナントが入居しており、以前は第一勧業銀行新宿南口支店がメインテナントでした。みずほ銀行発足時に、旧日本興業銀行新宿支店と統合され移転しましたが、ATMコーナーのみが現在も残っています。

KDDIビル内郵便局

KDDIビル内には、郵便局が設置されており、竣工時にKDDビルから移転しました。以前は「国際通信センター内郵便局」や「KDDビル内郵便局」という名称でしたが、現在は「KDDIビル内郵便局」となっています。風景印の図案は「KDDIビルと京王プラザホテルなどの高層ビル」です。

その他

かつては、みずほATMコーナーや生活彩家などの施設も存在しましたが、現在は閉店しています。

設置物

正面玄関付近には、竣工の際にデンマークのグレート・ノーザン・テレグラフ社から贈られた記念碑があります。この記念碑には、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの切り絵を元にした10枚のレリーフが飾られています。

記念碑のそばには、方位盤が設置されており、「東経：35度41分04秒、北緯：139度41分53秒、標高：42.1m」と記載されています。

冬季には、ビル上部から氷塊が落下する危険性があるため、注意を促す看板が設置されています。

登場作品

KDDIビルの手前の通路や外観は、映画やドラマの撮影によく利用されています。特に『仮面ライダー THE FIRST』や『スーパー戦隊シリーズ』など、多くの作品に登場しています。

ロボット刑事（1973年） - オープニングのタイトルバックに建設中のビルが登場しました。
快傑ズバット（1977年） - オープニングでビルの南側などが登場しました。
TM NETWORK|TM_NETWORKのコンサートツアー『KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX』（1988年） - メンバー3人がビルの屋上で佇むシーンが撮影されました。
B'z『ねがい』 - 地上噴水広場で撮影が行われました。
* アラン・ウォーカー『Faded』の最後のPVにも登場しています。

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