KEIS

KEISコードとは

KEIS（ケイス、Kanji processing Extended Information System）は、日立製作所が開発した日本語処理システムとして知られていますが、実際にはこのシステムで用いられる漢字コード体系を指すことが一般的です。本稿では、このKEISコードについて詳しく解説します。

概要

KEISコードは、JIS C 6226-1978（またはJIS X 0208-1983）をベースとして、GR領域に表現し、その上部に拡張文字を配置した符号化文字集合です。具体的には、以下の3つの文字セットに分類されます。

1. 基本文字セット: JIS C 6226-1978またはJIS X 0208-1983の第一水準漢字および非漢字が含まれます。これは、日本語の基本的な文字を網羅しています。
2. 拡張文字セット1: JIS C 6226-1978またはJIS X 0208-1983の第二水準漢字が収録されています。第一水準ではカバーできない、より専門的な漢字や人名に用いられる漢字などが含まれます。
3. 拡張文字セット3: ベンダー拡張漢字が収録されており、特に日立独自のメーカー定義漢字が含まれます。これにより、日立のシステムで必要となる特殊な漢字を扱うことができます。

KEISコードは、主に日立EBCDIK（Extended Binary Coded Decimal Interchange Code for Kana）と併用されることが多いです。EBCDIKは、主に大型コンピュータで使用される文字コードであり、KEISコードと組み合わせることで、日立のシステムにおける日本語処理をより柔軟に行うことが可能になります。

KEISコードの構成

KEISコードは、基本文字セットに加え、拡張文字セット1と拡張文字セット3を持つことで、より多くの文字を扱うことができます。この構造により、JIS規格の範囲を超える多様な漢字を扱うことができ、特に日立のシステム環境下での日本語処理において重要な役割を果たします。拡張文字セットには、特定の業界や業務で使用される専門的な文字も含まれており、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズを可能にしています。

使用例

KEISコードは、日立製作所が開発したコンピュータシステムやソフトウェア製品に広く採用されています。特に、大規模な業務システムや基幹システムにおいて、日本語のテキストデータを正確かつ効率的に処理するために使用されます。また、日立製の端末やプリンターなどでも、KEISコードが利用されています。

まとめ

KEISコードは、日立製作所が開発した日本語処理システムにおける重要な要素であり、特に漢字コードとしてその役割を担っています。JIS規格をベースとしつつ、拡張文字セットを追加することで、より多様な日本語文字を扱うことができるように設計されています。日立のシステムを利用する上で、KEISコードについての理解は、円滑なシステム運用に不可欠と言えるでしょう。

関連事項

文字コード：コンピュータで文字を扱うためのコード体系の総称。
EBCDIC：主にIBMの大型コンピュータで利用される文字コード。
IBM漢字システム：IBMが開発した漢字処理システム。
JEF漢字コード：富士通が開発した漢字コード。
JIPS：富士通が開発した情報処理システム。

参考文献

日立製作所関連ドキュメント
* 文字コードに関する技術資料

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