KHTML

KHTMLは、KDEプロジェクトによって開発されたHTMLレンダリングエンジンであり、KDEのウェブブラウザであるKonquerorのために設計されました。このエンジンは、KPartフレームワークに基づいてC++で実装されており、HTML 4.01、CSSレベル1およびレベル2、DOMレベル1およびレベル2、さらにはレベル3の一部、そしてECMAScriptをサポートしています。特にCSSに関しては、Acid2テストをクリアするほどの高度な実装が施されており、ウェブ標準への準拠を重視した開発が行われています。また、ウェブページの互換性を高めるために、マイクロソフトのInternet Explorerが持ついくつかの非標準機能もサポートしています。

KHTMLの大きな特徴の一つは、その独立性です。ソフトウェアコンポーネントとして単独で利用することができ、これが後にAppleによって採用され、macOSに搭載されたSafariブラウザの基盤となるWebKitへと発展しました。WebKitは、KHTMLをベースにしながらも、Apple独自の改良が加えられ、現在では多くのブラウザに採用されるまでに至っています。

KHTMLを搭載するブラウザは、Konqueror以外にはあまり知られていないのが現状です。そのため、多くのウェブサイトではKHTMLのサポートが十分に行われていないか、またはKonquerorでサイトが正常に動作するにもかかわらず、サポート対象外とされているケースがあります。例えば、Gmailのような主要なウェブサービスでさえ、Konquerorが自身をFirefoxであると報告しない限り、正常に動作しないという問題があります。この状況は、KHTMLの優れた技術力にもかかわらず、広く普及する上での課題となっています。

KHTMLを採用する主なソフトウェアとしては、以下のものが挙げられます。

Konqueror
Tavia（タビアたん）

関連技術として、KDOM（KDE Document Object Model）やKJS（KDE JavaScript）があり、KHTMLと密接に連携して動作します。

KHTMLに関する詳しい情報は、以下の外部リンクで確認できます。

Web Browser – KonquerorのサイトにおけるKHTMLの特徴のリスト
KHTML – KDE's HTML library – developer.kde.orgにおける定義
* KDE 4 APIリファレンス内のKHTMLについてのドキュメント

これらの情報源を通して、KHTMLの技術的な詳細や、KDEプロジェクトにおけるその役割について、より深く理解することができます。

KHTMLは、ウェブ技術の進化において重要な役割を果たしたレンダリングエンジンであり、その技術は後のWebkitにも大きな影響を与えました。KHTMLは、KDEプロジェクトにおける重要な貢献の一つであり、オープンソースコミュニティにおける技術共有の成功例として記憶されるべきです。しかし、その普及の面では課題も抱えており、今後の更なる発展が期待されます。

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