KILLERS キラーズ (2003年の映画)

『KILLERS キラーズ』

2002年に製作され、2003年6月に劇場公開された日本のオムニバス形式の映画です。本作は、押井守、きうちかずひろ、大川俊道といった名だたるクリエイターに加え、河田秀二、辻󠄀本貴則という新鋭監督が参加し、それぞれが手掛けた短編作品で構成されています。

企画背景

このユニークなプロジェクトの起源は、銃器専門誌『月刊Gun』誌上で展開されていたコラムから派生した自主製作映画コンテスト、「ガン・アクション・ムービー・コンペティション」にあります。このコンテストで特に高い評価を受け、優秀賞を獲得した河田秀二監督と辻󠄀本貴則監督のプロフェッショナルな映画製作現場へのデビューを後押しする目的で、本企画が立ち上がりました。これを実現するため、コンテストの審査員を務めていた押井守監督、きうちかずひろ監督、大川俊道監督の3人が協力することを快諾。こうして、経験豊富なプロ監督とコンテスト出身の若手監督、合わせて5名によるオムニバス映画製作が具体化しました。

制作におけるルール

『KILLERS キラーズ』の製作にあたっては、参加監督全員に共通の厳格なルールが課されました。具体的には、以下の条件です。

制作費: 1作品あたり600万円の上限。
撮影期間: 1週間以内での撮了。
上映時間: 1作品あたり20分以内。
テーマ: 「殺し屋」を主軸とし、作品内に必ず銃が登場すること。

これらの基本的な制約は厳守されましたが、それ以外の物語展開や映像表現、演出方法については、各監督の裁量に委ねられ、大きな自由度が与えられました。この制約と自由のバランスが、各作品に多様な個性を与える結果となりました。

収録作品

本作に収録されている5つの短編作品は以下の通りです。

PAY OFF
脚本・監督：きうちかずひろ
音楽：HAPPO
主なキャスト：酒井伸泰、ハント・ケーシ、山下真希、井上千尋、秋葉祐希 ほか
CANDY
脚本・監督：大川俊道
音楽：ハント・ケーシ
主なキャスト：星野マヤ、清水あすか、杉山あすか、赤星昇一郎、堀勉、松山鷹志 ほか
PERFECT PARTNER
脚本・監督：辻󠄀本貴則
音楽：仁乃唯
主なキャスト：荒木良明、松谷賢示、才谷ゆきこ ほか
KILLER IDOL
脚本・監督：河田秀二
音楽：仁乃唯
主なキャスト：大高洋夫、河田秀二、石橋祐、小澤明美、クレクレタコラ ほか
.50 Woman
脚本・監督：押井守
音楽：川井憲次
主なキャスト：仁乃唯、神谷誠、黒田仁子、鈴木敏夫 ほか

これらの作品は、限られた条件下で各監督が「殺し屋」というテーマにどのようにアプローチしたかの違いが見どころとなっています。

主なスタッフ

製作者：藤原正道
企画：斎春雄
プロデュース：石井信彦、釜秀樹、くろがねゆう、久保淳
ラインプロデューサー：村社幸司
スタント＆アクション：オフィスワイルド
ガンエフェクト：BIGSHOT
* 主題歌：The Romancing Plants「voice of love」

『KILLERS キラーズ』は、新たな才能の発掘・育成と、経験豊富なプロフェッショナルによる多様な表現が融合した、実験的ながらも見応えのある企画として製作されました。

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