KS-30 130mm高射砲

KS-30 130mm高射砲は、1950年代にソビエト連邦で開発された高射砲であり、旧ナチス・ドイツの12.8 cm FlaK 40と類似した外観と構造を持つことが特徴です。ソ連をはじめとするワルシャワ条約機構加盟国で広く配備され、防空の要として活躍しました。

特徴

外観と構造:
ダブルタイヤ付きの砲架
運搬時に45度まで折りたたみ可能な砲身
砲口制退器のない長砲身

機構:
半自動式の水平鎖栓式閉鎖機
自動装填機
自動信管測合機

射撃管制:
PUAZO-30射撃管制装置
SON-30レーダー

砲弾は装薬固定・分離式を採用していますが、他の130mm野砲や沿岸砲との互換性はありません。これはKS-30が独自のシステムとして設計されたことを示しています。

射撃管制は、PUAZO-30射撃管制装置とSON-30レーダーによって統制され、目標の捕捉から射撃までの一連のプロセスを自動化することで、高い命中率を実現していました。

運用と退役

KS-30は、長らくソ連およびワルシャワ条約機構各国の防空を担っていましたが、地対空ミサイルの発展に伴い、その役割を終えることになります。より射程が長く、命中率の高いミサイルシステムが導入されるにつれて、KS-30は徐々に第一線から退き、多くは予備兵器として保管されるようになりました。

類似の砲

12.8 cm FlaK 40：第二次世界大戦中にドイツで使用された高射砲で、KS-30の設計に影響を与えたと考えられています。
M1 120mm高射砲：アメリカ合衆国で開発された高射砲で、KS-30と同様に大口径の対空砲として運用されました。

関連兵器

KS-19 100mm高射砲：同時期に開発された高射砲で、KS-30と組み合わせて運用されることがありました。
* 52-K 85mm高射砲：第二次世界大戦中にソ連で使用された高射砲で、対空砲の発展における重要な機種です。

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