KSVK

KSVK対物ライフルに関する詳細

KSVK（КСВК）は、ロシアで開発された対物ライフルとして知られています。その名称は、「コヴロフ製の大口径狙撃銃」を意味する「Krupnokalibernaya Snayperskaya Vintovka Kovrovskaya」の略です。このライフルは、V・A・デグチャリョフ記念工場によって1997年から1998年にかけて開発されました。KSVKは、その前段階として1998年に完成した「SVN-98」を基にしており、このモデルはボルトアクション方式で、ブルパップ形状を特徴としています。

開発の背景

SVN-98は12.7x108mmの弾薬を使用し、同タイプとして初めて軍の採用試験に合格しましたが、正式な制式装備には至りませんでした。その後、この設計をさらに改良し、KSVKが2000年に完成しました。KSVKはその性能を確認するため、ロシア連邦軍や内務省軍による様々な試験を実施され、その結果に基づいて2004年には改良型の「ASVK」が導入されました。

ASVKは「Armeyskaya Snayperskaya Vintovka Krupnokalibernaya」と称され、KSVKと同様に高い性能が期待されました。2013年には、より進化した照準装置を備えた新しい狙撃銃体系として、「12,7 миллиметровый снайперский комплекс 6C8 «Корд»」の名称が付与され、正式な軍用装備として採用されました。さらに2016年には軽量化と低反動を目的とした改良が加えられた「ASVK-M」も登場し、これにより部隊展開が始まりました。

構造と機能

KSVKおよびその改良型ASVKは、共にボルトアクション方式の発射機構を採用しており、ブルパップ方式のデザインとして設計されています。この設計により、長い銃身がありながらも全長が短く、持ち運びがしやすい利点があります。着脱式の5発弾倉は背面に配置されており、通常のボルトアクション式ライフルとは異なる操作性を持っています。

装填および排莢作業は、機関部の右側から伸びるレバーを使用して行われ、前方に引く動作で実施されます。この設計は操作のスピードを向上させ、実戦での利便性を高めています。また、大口径弾薬による強烈な反動に対抗するため、銃口には大型のマズルブレーキが備えられており、射撃時に反動を軽減します。さらに、光学照準器の取り付けを容易にするためのウェポンレールが装備されています。

文化における登場

このライフルは、アニメやビデオゲームにおいても言及されています。例えば、アニメ『魔法少女育成計画』の第9話に登場するキャラクター、カラミティ・メアリが使用したことで、注目を集めました。また、ゲーム『ArmA: Armed Assault』や『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』などでもライフルが描かれています。

KSVKはその高い性能と独特なデザインにより、軍事的な用途のみならず、様々なメディアにも影響を与え続けている特筆すべき狙撃銃です。

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