KikUUiki

アルバム『kikUUiki』の概要

『kikUUiki』（キクウイキ）は、人気バンドサカナクションの4枚目のオリジナルアルバムであり、2010年3月17日にビクターエンタテインメントから発売されました。このアルバムは、前作から約一年を経てリリースされたもので、オリコンランキングでは初登場で3位を獲得するなど、注目を集めました。

アルバムタイトルの由来

アルバムタイトル「kikUUiki」は、海水と淡水が交わる汽水域から派生した造語です。この言葉は、本来は異なるものが混ざり合う空間を意味し、作品全体に共通するテーマを反映しています。このタイトルには、互いに相容れない要素が調和し、新たな美学を生み出すという意義が込められています。

特典とリリース前の取り組み

初回盤にはボーナストラックとして「Paradise of Sunny」が収録されており、特別な体験を提供しています。アルバムの発売を前に、2月24日から2月28日までの間、レーベルのウェブサイトで先行試聴が行われ、タイトルにちなんだ“汽空域”の時間帯に合わせて、朝4時から5時30分の間にランダムに数曲を体験できました。さらに、3月14日には「サカナクション『kikUUiki』爆音試聴PARTY」と題した試聴会が行われ、その模様はUstreamで生中継されました。

音楽的な特徴

このアルバムの楽曲には多様な音楽的要素が詰まっており、聴く者に強い印象を残します。特に「intro = 汽空域」は、タイトルが示す通りの感覚や美学を音楽で表現しています。この曲作りの過程では、メンバーの山口がレコーディング風景をiPhoneで録音した音を取り入れるなど、ユニークなアプローチが取られました。

各曲の解説

「潮」は、哲学や思想で生きることについてのテーマを探求した曲で、聴く者に深い問いかけをしています。サカナクションのチーム全員がコーラスに参加したことも特徴的で、一体感が生まれています。

「YES NO」と「アルクアラウンド」は、それぞれ独自のストーリーと音楽性を持つ楽曲であり、特に「アルクアラウンド」は2ndシングルの表題曲としても知られています。

「Klee」では、山口が愛する画家パウル・クレーからインスパイアを受け、遊び心あふれる歌詞が歌われています。また、「21.1」は、特定のイベントからインスパイアを受けた曲名であり、ライブのBGMとしても使用されるなど影響力があります。

「シーラカンスと僕」は、他の曲とつながりを持つ作品であり、ライブではセットリストによく組み込まれています。

「明日から」や「表参道26時」においては、フィクションを書く試みがなされ、それによりダイナミックで楽しい曲が生まれました。「壁」や「目が明く藍色」は、過去の作品からも影響を受けつつ、新たな解釈が加えられています。

評価と受賞歴

このアルバムは、Appleが主催する「iTunes Rewind 2010」でロック部門のベストアルバムにも選ばれるなど、高い評価を得ています。音楽だけでなく、そしてその背後にあるメッセージや音楽美学が、多くのファンの心に響いていることが、その証でしょう。

まとめ

『kikUUiki』は、サカナクションの音楽的進化と独自性を示す重要な一枚であり、楽曲やアルバムの制作過程には、アーティストの情熱と創造性が込められています。これにより、リスナーは新たな音楽体験を楽しむことができ、彼らの作品はますます深まっています。

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