Kilodegree Extremely Little Telescope

KELT (キロ度超小型望遠鏡) とは

KELT (Kilodegree Extremely Little Telescope) は、トランジット法を用いて太陽系外[[惑星]]を探索する観測システムであり、その観測プロジェクトです。このプロジェクトは、オハイオ州立大学、ヴァンダービルト大学、リーハイ大学の物理学・天文学専攻と南アフリカ天文台 (SAAO) が共同で実施しています。

KELT 望遠鏡の構成

KELTは、アメリカ・アリゾナ州のKELT-Northと、南アフリカ共和国のSAAOにあるKELT-Southの2つの望遠鏡で構成されています。

それぞれの望遠鏡には、4096 × 4096 ピクセルのApogee CCDの前面に、4.2cm口径の広視野(26度 × 26度)の望遠レンズが搭載されています。また、狭い視野での観測モード用に、7.1cm口径の狭角レンズ(10.8度 × 10.8度)も使用できます。カメラは、KELT-NorthではApogee AP16E、KELT-SouthではApogee U16Mが採用されています。光学アセンブリとカメラは、Software Bisque社製のParamount MEマウントに取り付けられています。

KELT-North

KELT-Northは、アリゾナ州ソノイタにあるワイナー天文台に設置されています。ツーソンからは車で約1時間の距離にあります。2004年に設置され、2006年から観測運用を開始しました。機器の故障や悪天候による中断を挟みながらも、継続的に観測を続けています。

KELT-South

KELT-Southは、南アフリカ共和国サザランドのSAAOが所有・運営する天文観測地点に設置されています。ケープタウンから北へ約370km離れた場所に位置しています。KELT-Southは2009年に設置されました。

観測目標と運用

KELTの主な目標は、見かけの等級が8〜10等級の恒星をトランジットする系外惑星を発見することです。この明るさは、視線速度法による系外惑星探査の対象となる恒星よりはわずかに暗いですが、トランジット法を用いる多くの観測プロジェクトよりは明るい範囲です。

両方のKELT望遠鏡は、天候の良い夜には、事前に決められた空の領域を毎晩連続して観測します。露光時間は150秒に固定されており、KELTがターゲットとする明るさの恒星観測に最適化されています。

KELT-Northが先に設置され、2006年に観測を開始しました。2020年3月までに26個の惑星を発見し、関連する論文が多数発表されています。惑星トランジットの検出を目的とした観測は、2020年3月に終了しました。これは、同様の機能を持つTESSの運用が開始されたことが主な理由です。しかし、トランジット以外の観測や、蓄積されたデータの処理・公開は引き続き行われています。

KELTが発見した系外惑星

KELTは、これまでに複数の系外惑星と、少なくとも1つの褐色矮星を発見しています。

関連プロジェクト

HATネット
スーパーWASP
XO望遠鏡

これらのプロジェクトも、KELTと同様に小型望遠鏡を用いたトランジット法による系外惑星探査を行っています。

関連項目

太陽系外[[惑星]]の一覧
太陽系外[[惑星]]探査プロジェクトの一覧

外部リンク

KELT 公式サイト

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