Kindle Fire HD (第1世代)

Kindle Fire HDは、Amazon.comによって開発・販売された電子書籍リーダー/タブレット端末です。2011年11月にアメリカで発売されたKindle Fireの上位モデルとして登場しました。特徴として、Androidをベースに独自に開発されたFire OSを搭載し、タッチ操作に対応した高精細カラーHD液晶ディスプレイを備えています。

2012年9月6日には、グレースケール表示の電子インクモデルであるKindle Paperwhiteと同時に、7インチモデルと8.9インチモデルの2種類が発表されました。アメリカ国内では、7インチモデルが同年9月14日に発売、8.9インチモデルはWi-Fi版が11月16日、Wi-Fi+4G LTE版が11月18日にリリースされました。また、アメリカ国外では、7インチモデルがイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインで10月25日に発売され、日本では12月18日に発売されました。8.9インチモデルは、米国で11月20日、日本では2013年3月12日、ドイツでは3月13日に発売されました。

ハードウェア

7インチモデルには1280×800ピクセルのHDディスプレイが、8.9インチモデルには1920×1200ピクセルのより高精細なHDディスプレイが搭載されています。プロセッサには、7インチモデルがTexas Instruments OMAP 4460、8.9インチモデルがOMAP 4470を採用。両モデル共に、ドルビーデジタルプラスに対応し、デュアルドライバによるステレオスピーカー（計4つのスピーカーユニット）を搭載しています。また、2つのWi-FiアンテナとMIMO技術によって通信の安定性と速度を向上させています。Bluetoothにも対応しており、ワイヤレスキーボードなどの周辺機器が利用可能です。ただし、SDカードスロットやGPSモジュールは搭載されていません。

OS

OSには、Kindle Fireと同様にAndroidをベースに独自開発されたFire OSが採用されています。家族間での共有を想定したユーザープロファイル機能が新たに導入されました。

ウェブブラウザ Silk

ウェブブラウザには、WebKitをベースとした独自のSilkが搭載されています。これはAndroid BrowserやGoogle Chrome for Androidとは異なるブラウザです。Silkサーバーを活用することで、ウェブページの読み込み速度を向上させています。検索エンジンはGoogle、Bing、Yahoo! Japanなどから選択できます。さらに、サイドバーから全画面表示機能も利用できます。搭載されたWebKitのバージョンは535であり、Android 4.0の標準ブラウザよりも新しいものが採用されています。

ストアとの統合

Kindle Fire HDは、Amazonの電子書籍、音楽、動画コンテンツストアと緊密に統合されています。コンテンツを選択すると、関連商品が表示されるなど、シームレスな体験が可能です。OSのユーザーインターフェイスでは、アプリとコンテンツが同等に扱われ、ホーム画面では両者が混在して表示される設計となっています。

モデル

7インチモデル
8.9インチモデル（Wi-Fiモデル、Wi-Fi+4G LTEモデル）


Kindle Fire HDは、電子書籍を読むだけでなく、動画視聴やウェブブラウジングなど、様々な用途で利用できる便利なデバイスとして、幅広いユーザーに支持されました。

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