Kiwi Farms

Kiwi Farms: 嫌がらせを専門とするインターネット掲示板

Kiwi Farms（キウイファーム）は、2013年に創設されたインターネット掲示板で、主に嫌がらせを目的としたコンテンツが投稿されています。このサイトは2ちゃんねるから派生した4chanの分派として知られ、創設者は8chanの元管理人であるジョシュア・ムーンです。


この掲示板は、米国の大手CDNであるCloudflareによってブロックされる前は、自分たちの掲示板で行われる攻撃や誹謗中傷に対する対応がほとんどありませんでした。時に深刻な自殺を招くなどの激しい嫌がらせキャンペーンが行われることから、「ウェブ最大のストーカーコミュニティ」や「4chanや8chanよりも悪化した掲示板」とする批判が上がっています。これにより、Kiwi Farmsは非常に物議をかもす存在となっています。

攻撃対象の多様性と深刻な影響

Kiwi Farmsの標的となるのは、主にフェミニスト、ジャーナリスト、政治家、そして特にLGBTQコミュニティやトランスジェンダーの個人です。この掲示板上では、ドクシング（個人情報の暴露）、虚偽通報（スワッティング）など、さまざまな嫌がらせ行為が盛んに行われており、最終的には少なくとも3人の自殺が報告されています。特に2021年7月には、サイトでの攻撃を受けた女性ソフトウェア開発者が自ら命を絶つという悲劇があり、この事件を受けてドメイン登録サービスのDreamHostがサイトをブロックしました。

Cloudflareによる緊急ブロック

2022年8月、トランスジェンダー活動家のKeffalsによって「#DropKiwiFarms」や「#CloudFlareProtectsTerrorists」といったハッシュタグが広まり、Kiwi Farmsの閉鎖を訴える運動が始まりました。この圧力は単にKiwi Farmsに留まらず、その保護サービスを提供するCloudflareなども対象となりました。同時に、サイト上での嫌がらせの度合いも増していきました。

9月4日、Cloudflareは「前例のない緊急事態と人命に対する差し迫った脅威」を理由にKiwi Farmsをブロックしました。同社のCEOであるマシュー・プリンスは、脅威が非常に高まり法執行機関の介入を待てない状況であったと説明しています。このブロックの後、Internet ArchiveはKiwi Farmsに関連するすべてのアーカイブを削除しました。

サイトの移行と現在

Kiwi Farmsはその後、ロシアに拠点を置くDDoS-Guardに移行して再開を試みましたが、24時間以内に再度ブロックされました。この危機に際し、5ちゃんねるや8chanを運営するジム・ワトキンスは「Kiwi Farmsを保護するために全面協力する」と主張し、サイトを買収したと主張しましたが、ジョシュア・ムーンはこれを否定しています。

一時期、Kiwi FarmsはTorネットワーク上のダークウェブに移行し、運営者はサイトを再開するためにVanwaTechを利用する計画を進めました。その結果、2022年12月時点でもKiwi Farmsは存在しており、今なお議論の的となっています。このサイトの存在は、インターネット上での嫌がらせの実態や、関連する社会問題を浮き彫りにしており、ますます注目を集めています。

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