LGA775

LGA775（Socket T）は、インテルが開発したCPUソケットの一種です。開発コードネーム"Tejas"（テハス）向けに設計されたことに由来し、別名Socket Tとも呼ばれます。Tejas自体は製品化されませんでしたが、LGA775ソケットは、後期のPentium 4、Pentium D、Core 2シリーズ、およびそれらと同世代のCeleronシリーズといった幅広いCPUをサポートするソケットとして普及しました。

仕様

LGA775の最大の特徴は、名前の通り775本のピンを持つことです。CPU側にはピンがなく、代わりに電極（ランド）が配置されたLGA（ランド・グリッド・アレイ）パッケージを採用しています。従来のCPU側にピンがあるPGA-ZIF形式とは対照的で、これによりCPUクーラー取り外し時のピン破損事故が減少しました。ただし、ソケット側のピンは非常に繊細であり、取り扱いには注意が必要です。

互換性

LGA775は、インテルのCPUソケットとしては比較的長期間にわたり使用され、多くのCPUに対応しました。しかし、その過程でチップセットとの互換性問題が顕在化しました。初期のチップセットでは後期のCPUが動作しない、あるいはその逆の現象が発生することがあります。これは、チップセットの世代によって対応するCPUの種類が異なるためです。マザーボードとCPUの組み合わせを検討する際には、互換性を十分に確認する必要があります。

マルチGPUについて

LGA775対応チップセットでNVIDIAのSLIを使用する場合、NVIDIA製チップセットが必須となります。一方、AMDのCrossFireXは、ATI以外のチップセットでも使用可能です。これは、各社のマルチGPU技術の仕様に依存するものです。

採用製品

CPU

Intel
NetBurstアーキテクチャ
Prescott世代
CedarMill世代
Coreアーキテクチャ
Merom世代
Penryn世代

チップセット

LGA775対応CPUをサポートするチップセットは多数存在します。以下はその一部です。

Intel
iE7221, iE7230W, i3200/3210
865 Chipset
875 Chipset
915/925 Chipset
945/955 Chipset
965/975 Chipset
3 Series
4 Series
ATI (AMD)
Xpress 200i/1150i, Xpress 1250i, Xpress 3200i
VIA
P4M800, P4M890, P4M900, PT880U, PT890
NVIDIA
nF4i, 570i, 610i/GF7050, 630i/GF7150, 650i, 680i, 750i, 780i, 790i
SiS
649, 661FX, 662MX, 671, 672FX

注意点

上記チップセットがLGA775対応CPUをサポートしていることから、「LGA775対応チップセット」と表現されることがありますが、これは厳密には誤りです。チップセットはCPUをホストする役割を担うだけであり、LGA775ソケットと上記チップセットが同一マザーボードに搭載されているのは、あくまで結果に過ぎません。

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