Pentium 4

インテル Pentium 4 プロセッサー：進化と変遷

インテルPentium 4は、NetBurstマイクロアーキテクチャを採用したx86アーキテクチャのマイクロプロセッサです。2000年11月20日に最初の製品が登場し、その後、複数の世代に渡って製造されました。各世代は製造プロセス、キャッシュ容量、クロック周波数などの違いがあり、性能も大きく異なります。そのため、自作パソコンユーザーなどではインテルの社内開発コードネームを用いて区別することが一般的です。

Willamette（ウィラメット） - 初代Pentium 4

2000年12月に発売された初代Pentium 4は、180nmプロセスルールで製造され、256KBのL2キャッシュを搭載していました。当初は高価なRDRAMしかサポートせず、普及に苦戦しました。そのため、安価なPC-133 SDRAMに対応したチップセットも後に投入されました。Socket 423、後にSocket 478を採用しました。

Northwood（ノースウッド） - 性能向上とHT技術

2002年1月にリリースされた第二世代は、130nmプロセスルールで製造され、L2キャッシュが512KBに倍増、消費電力も低減されました。2004年には3.4GHzという高クロックを実現しました。また、ハイパースレッディング・テクノロジー（HT）に対応した製品も登場しました。Prescott登場後も、消費電力と性能のバランスが良いことから、人気を保ちました。

Prescott（プレスコット） - 高クロック化と新機能

2004年1月にリリースされた第三世代は、90nmプロセスルールで製造され、L1データキャッシュを16KBに増量、L2キャッシュを1MBに増量しました。高クロック化を目指した設計でしたが、パイプライン段数の増加により、同クロックのNorthwoodより性能は若干劣りました。SSE3、XDビット、EM64Tなどの新機能も追加されました。Socket 478とLGA775パッケージが用意されました。しかし、消費電力と発熱の問題が深刻化し、インテルの開発ロードマップに変更を余儀なくさせました。

Prescott-2M（プレスコット-2M） - 2MBキャッシュと仮想化技術

2005年2月にリリースされた第四世代は、開発中止となったTejasの代替として、Xeonシリーズから派生した製品です。L2キャッシュを2MBに倍増し、拡張版Intel SpeedStepテクノロジーとXDビットに対応しました。一部製品にはインテル バーチャライゼーション・テクノロジーも搭載されました。

Tejas（テハス） - 開発中止となった次世代Pentium 4

2004年リリースを目指した第四世代Pentium 4として、低消費電力と静音性を実現する計画でしたが、リーク電流による発熱問題が解決できず、開発中止となりました。拡張版Hyper-Threadingや大容量キャッシュなどを搭載する予定でした。

Cedar Mill（シダーミル） - Pentium Dの下位モデル

2006年1月にリリースされた第五世代は、Tejasの製造プロセスを微細化したものでしたが、Tejasの開発中止により、Prescott-2Mを65nmプロセスルールで製造した製品となりました。Prescott-2Mと同等の性能と機能を持ち、価格も抑えられたコストパフォーマンスの高い製品でしたが、Intel Core 2への移行を促すため、大々的な宣伝は行われませんでした。

まとめ

Pentium 4は、複数の世代に渡って製造され、性能や機能が大きく進化しました。しかし、消費電力と発熱の問題、そして競合製品の台頭などにより、Intel Core 2シリーズへの移行が進むことになります。各世代の特徴を理解することで、Pentium 4の歴史をより深く知ることができます。

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