LMS 5形蒸気機関車

5形蒸気機関車（ブラックファイブ）について

5形蒸気機関車、通称ブラックファイブは、イギリスのロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道（LMS）によって開発された蒸気機関車の一型です。この機関車はウィリアム・スタニアによって設計され、1934年に初めて登場しました。特徴的な軸配置は4-6-0（2C）で、客貨両用機としての機能を持っています。以来、1951年にかけて、合計842両の製造が行われました。

ブラックバックファイブの由来

「ブラックファイブ」という愛称は、その特徴的な色合いやスタイルに由来しています。初期のモデルは黒色の車体に赤いラインが施されており、その外観が多くの人々に親しまれました。この愛称は、当初「ブラックスタニア」と呼ばれていたものが一般に広がってきた結果です。それに対して、スタニアが設計した急行旅客用機ジュビリー級の赤い色合いが「レッドスタニア」として知られ、更にその対比として名付けられました。

製造と性能

ブラックファイブの製造はLMSのクルー、ダービー、ホーウィック工場のほかに、バルカン・ファウンドリーやアームストロング・ホイットワースなどが担当しました。これらの工場で生産された機関車は、様々な線区での運用に耐えうる性能と高い信頼性を誇り、イギリス国内の広い範囲で活躍しました。

イギリス国鉄では、5形は「5MT形」として定義され、Mixed Traffic（客貨両用）として運用されることとなります。この形式の機関車は、イギリスにおける蒸気機関車の歴史の中でも、特に人気が高く、1968年まで運行が続けられました。現在では、18両が保存されており、造形美と歴史的価値を兼ね備えた存在として多くの鉄道ファンの心をつかんでいます。

文学やメディアへの影響

ブラックファイブは、鉄道に関する書籍や映像作品にも多く登場しています。特に『汽車のえほん』やその映像化作品『きかんしゃトーマス』においては、ヘンリーの事故復旧改造後の姿へのモデルとして採用されました。これにより、より広範な視聴者に知られることとなり、人気を博しました。

結論

ブラックファイブは、イギリスの蒸気機関車の象徴的な存在であるだけでなく、歴史的な価値や魅力も兼ね備えた機関車です。その信頼性や運用の幅広さから、多くの鉄道ファンや一般の人々に愛され続けています。今後もその名は語り継がれ、鉄道史の中で重要な位置を占めることになるでしょう。

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