Linux Terminal Server Project

Linux Terminal Server Project（LTSP）とは



Linux Terminal Server Project（LTSP）は、複数のユーザーが同時に1つのLinuxサーバーを利用するためのFLOSS（自由/オープンソースソフトウェア）アドオンパッケージです。このシステムでは、アプリケーションはサーバーとシンクライアント（X端末）の組み合わせで動作し、クライアントは主にユーザーインターフェース（入出力）を担当します。一般的に、シンクライアントはハードディスクなどの部品がないため、低消費電力で静音性に優れています。

LTSPのメリット



  • - コスト削減: 高価なデスクトップPCを多数導入する必要がなく、既存の低スペックPCや古いPCをシンクライアントとして活用できます。
  • - 教育現場への導入: 学校など、多数の端末を必要とする環境において、初期導入コストや運用コストを大幅に削減できます。
  • - リソース管理の効率化: サーバー側で集中的にリソースを管理するため、クライアント側のメンテナンスが容易になります。
  • - 利用状況の把握: 生徒がどのようにリソースを使用しているかを把握しやすくなり、教育現場での適切なリソース管理に役立ちます。

LTSPの仕組み



1. サーバー側の設定: LTSPサーバーは、chroot環境を設定し、最小限のLinuxオペレーティングシステムとX環境を動作させます。
2. クライアントのブート: クライアントは、ローカルなブートデバイスまたはネットワークブートによって起動します。
- ネットワークブートの場合、クライアントはDHCPでIPアドレスを取得し、TFTPサービスを通じてLTSPサーバーからLinuxイメージをダウンロードします。
- その後、クライアントはNFSサービスを利用して、LTSPサーバー上のchroot環境をrootファイルシステムとしてマウントします。
3. X Window Systemの起動: クライアントは、マウントされたrootファイルシステムからLinuxを起動し、最終的にX Window Systemを起動します。
4. サーバーへの接続: クライアントは、XDMCPまたはSSHトンネルを介してLTSPサーバーのログインマネージャーに接続します。
5. アプリケーションの実行: すべてのアプリケーションはLTSPサーバー上で実行され、クライアントはそれらのアプリケーションの画面表示と操作を行います。

LTSPの関連プロジェクトとディストリビューション



LTSPは、多くのディストリビューションやプロジェクトで採用されています。

  • - AbulÉdu: 教育向けにカスタマイズされたディストリビューション。
  • - Cutterプロジェクト: LTSPを活用した教育システム。
  • - Dewworks: 教育現場向けのソリューションを提供。
  • - Edubuntu: Ubuntuベースの教育向けディストリビューション。
  • - K12LTSP: 学校向けのLTSPソリューション。
  • - Skolelinux: 教育機関向けのディストリビューション。

MILLE-Xterm



MILLEプロジェクトは、教育機関向けのフリーソフトウェア基盤モデルで、その一部としてMILLE-Xtermがあります。MILLE-XtermはLTSPをベースにしており、多数のX端末を効率的に管理するためのスケーラブルな基盤を提供します。

LTSPの創設者とライセンス



LTSPの創設者でありプロジェクトリーダーは、Jim McQuillan氏です。LTSPはGNU General Public Licenseに基づいて配布されており、自由に使用、修正、配布が可能です。

LTSPの関連技術



  • - 端末サーバ: 複数のクライアントが1つのサーバーに接続して利用するシステム。
  • - Diskless Remote Boot in Linux: クライアントがサーバーから起動する同様のシステムですが、クライアントのリソースをより多く使用します。
  • - VT100: 歴史的な端末の一種。
  • - タイムシェアリングシステム: 複数のユーザーが同時にコンピューターを使用するシステム。
  • - Sun Ray: サン・マイクロシステムズが開発したシンクライアントシステム。

LTSPに関する外部リンク



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