Edubuntu

Edubuntuは、教育機関での利用を目的として開発されたUbuntuの公式派生ディストリビューションです。以前はUbuntu Education Editionと呼ばれていました。

Edubuntuの特徴

Edubuntuは、教師や教育関係者が共同で開発しており、6歳から18歳までの子供たちを対象としています。Ubuntuをベースに、LTSPシンクライアントアーキテクチャや教育関連のアプリケーションを搭載しています。インストールと継続的なシステムメンテナンスが容易に行えるよう設計されているのが特徴です。

Edubuntuには、Linux Terminal Server Project（LTSP）のほか、GCompris、KDE Edutainment Suite、Sabayon Profile Manager、Pessulus Lockdown Editor、Edubuntu Menueditor、LibreOffice、Gnome Nanny、iTalcなど、教育現場で役立つ多くのアプリケーションがプリインストールされています。以前はCD版が提供されていましたが、バージョン8.10以降はDVD形式でのダウンロードのみとなっています。

デフォルトのGUIは、リリース23.04ではGNOMEが採用されています。過去には、リリース12.04から14.04まではUnityが採用されていましたが、GNOMEも利用可能でした。また、リリース7.10からはKDE版のEdubuntu KDEも提供されています。2010年には、Edubuntu内でQimo 4 Kidsプロジェクトを提供する試みがありましたが、容量の問題から実現には至りませんでした。

プロジェクトの目標

Edubuntuの主な目標は、技術的な知識やスキルが十分でない教育者でも、1時間以内にコンピュータラボやオンライン学習環境を構築し、管理できるようにすることです。また、教室での共同作業を円滑に行えるよう、ユーザーやプロセスの設定を中央で管理できるようにすることも重視されています。教育現場で利用できる最良のフリーソフトウェアと教材を集めることも重要な目標の一つです。

公式サイトでは、「教育現場で利用可能な最高のフリーソフトウェアが全て含まれたシステムを構築し、インストールとメンテナンスを容易にすること」を目標として掲げています。さらに、予算が限られた環境でも、古い機器を最大限に活用できるようになることも目指しています。

バージョン

Edubuntuの最初のリリースは、2005年10月13日、Ubuntu 5.10（コードネーム：Breezy Badger）と同時でした。バージョン8.04（Hardy Heron）では、Ubuntu Education Editionに名称が変更され、インストール可能なLiveCDから、標準Ubuntuへのアドオンという形式に変更されました。バージョン9.10からは、アドオンCDではなく、フルシステムDVDでの提供となりました。また、Ubuntuの公式リポジトリから、"edubuntu"パッケージを選択してインストールすることも可能です。

バージョン14.04以降はLTS版のみとなり、16.04 LTSのアップデートはスキップされ、コントリビューターの不足により14.04のままとなる予定でした。しかし、数年の中断を経て、2023年4月に公式フレーバーとして復活しました。

関連項目

Linuxディストリビューション
UberStudent - XubuntuのLTSベースの教育用Linuxディストリビューション
Skolelinux - Debian Pure Blendベースの教育用Linuxディストリビューション
Sugar-on-a-Stick - Fedoraベースの教育用Linuxディストリビューション

外部リンク

公式ウェブサイト
Integrating open source into a primary school

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