Love, サイモン 17歳の告白

『Love, サイモン 17歳の告白』（原題：Love, Simon）は、2018年に公開されたアメリカ合衆国の青春映画です。監督はグレッグ・バーランティ、主演はニック・ロビンソンが務め、ベッキー・アルバータリの小説『サイモンvs人類平等化計画』を原作としています。日本では劇場公開されませんでしたが、デジタル配信とBlu-ray Discでリリースされ、多くの視聴者に感動を与えました。

物語は、ジョージア州アトランタの高校に通うサイモン・スピアーを中心に展開します。彼はゲイであることを周囲に隠して生活していましたが、心優しく温かい家族や友人たちに囲まれ、幸せな日々を送っていました。ある日、学校に別のゲイの生徒がいるという噂を耳にしたサイモンは、インターネット上で「ブルー」という偽名を使うその生徒と連絡を取り始めます。お互いの秘密を共有し、すぐに親密な関係を築いていきます。しかし、ある出来事によってサイモンがゲイであることが同級生のマーティンに知られてしまいます。マーティンはサイモンを脅迫し、彼の友人であるアビーとの仲を取り持つよう要求します。

サイモンは苦悩しながらもマーティンの要求を受け入れます。ハロウィンのパーティーでは、親友のエイブラハム（ブラム）がブルーではないかと疑いますが、それは誤りでした。パーティー後、酔ったサイモンは親友のリアと帰宅します。リアはサイモンに好意を抱いていましたが、告白する機会を逃していました。後日、サイモンはアビーとマーティンを引き合わせますが、マーティンはアビーの不安を巧みに利用して彼女を口説き始めます。

サイモンはブルーの正体を探り続け、ウェイターのライルに惹かれ、彼こそがブルーではないかと期待を抱きます。アビーを自宅に送る際に、サイモンは彼女に自分がゲイであることをカミングアウトします。アビーはそれを受け止め、サイモンを温かく励まします。しかし、ライルはアビーに好意を抱いており、ブルーではありませんでした。ブルーの正体不明に苛立つサイモンはマーティンに反論し、マーティンは勢いでアビーに告白しますが、あっさり断られてしまいます。この出来事が、物語に新たな展開をもたらします。

映画には、ニック・ロビンソン（サイモン）、ジョシュ・デュアメル（サイモンの父）、ジェニファー・ガーナー（サイモンの母）、キャサリン・ラングフォード（リア）、アレクサンドラ・シップ（アビー）、キーナン・ロンズデール（ブラム）、ローガン・ミラー（マーティン）など豪華なキャストが名を連ねています。日本語吹き替え版も制作され、多くの日本人の視聴者にも楽しんでもらえるようになっています。

2017年3月6日から4月23日にかけてアトランタで主要撮影が行われました。サウンドトラックには、ブリーチャーズ、ブレントン・ウッド、The 1975、ホイットニー・ヒューストンといったアーティストの楽曲が使用され、2018年3月16日に発売されました。

映画は2018年2月27日にマルディ・グラ映画祭でプレミア上映され、その後、全米で公開されました。公開初週末には予想を上回る興行収入を記録し、大きな話題となりました。ジェニファー・ガーナー、ニール・パトリック・ハリス、マット・ボマーといった著名人も本作を支援し、無料上映会を開催するなど、作品への高い評価と期待が伺えます。

『Love, サイモン 17歳の告白』は批評家からも高く評価され、Rotten Tomatoesでは91%の高支持率、Metacriticでも73/100の高い評価を得ています。CinemaScoreでは最高のA+を獲得するなど、作品クオリティの高さが証明されています。この映画は、青春の瑞々しさ、友情、家族愛、そして性の多様性といったテーマを繊細かつ力強く描き出し、観る者の心に深く響く感動的な作品です。

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