M-stage

M-stageについて

M-stage（エムステージ）は、NTTドコモと旧ドコモグループによって展開されたモバイルコンテンツ情報配信サービス群の総称です。1999年に始まったmoperaの契約が基点となり、2005年に一部を除いてそのサービスは終了しました。本記事では、M-stageの概要やサービスの進化について詳細に説明します。

サービスのはじまりと進化

M-stageの根源は、1999年に始まった「mopera情報サービスHot's」にあります。このサービスは月額料金として100円が課金され、コンテンツが提供されていました。2001年に入ると、Hot'sの有料コンテンツ配信が分離され、「インフォゲート」というメニューサイトが新たに設けられました。その後、インフォゲートはM-stageの一部となり、2002年にはさらに統合が進められました。

位置情報サービスとモバイル機器の進展

M-stageにおける位置情報サービスは、端末がデータ通信を通じて位置情報を取得し、地図設定を可能にするものでした。主にPHS端末を通じて行われ、利用者は周辺の地図情報を入手できる「いまどこサービス」が開発され、その後M-stage位置情報サービスへと移行しました。

また、2000年12月には「動画配信サービス」としてM-stage visualが始まり、PVや映画の予告編などの多彩な動画が提供されました。このサービスはFOMA端末とPHSに対応し、ストリーミング配信によって行われましたが、技術的な制約や料金の面での課題から、厳しい運営を余儀なくされました。

音楽配信と書籍サービス

音楽配信サービスは、2001年にスタートし、J-POPや洋楽を中心とした楽曲を配信しました。特にPicwalkという端末が使用され、楽曲はダウンロード形式で提供されました。しかし、通信費用の問題や企業間の競合によって、2004年にサービスは終了となりました。

M-stage bookとして知られる電子書籍配信サービスも存在しました。2002年に始まり、XMDF形式を採用し、主に小説やマンガが提供されましたが、利用者の低迷により、こちらも2005年に終了しました。

M-stageの総合的平台とサービスの終了

インフォゲートは、M-stageの情報サービスを統合する役割を果たし、2002年以降は様々なサービスが一つのプラットフォームで提供されることとなりました。しかし、2004年以降、利用者の減少を理由に複数のサービスが次々と終了しました。最終的には2005年6月に多くのサービスが終焉を迎え、残されたのはインフォゲートとVライブのみとなりました。

現代における影響

M-stageのサービス停止後、2010年に展開された「spモード」などの新たなサービスには、かつてのコンテンツ課金と類似した機能が見られ、M-stageでの知見はその後のサービスに影響を与えています。また、電子書籍のフォーマットとしてXMDFが新たに利用されるなど、過去の経験が今に生きています。

CMと文化的影響

M-stage musicに関連するCMも放送され、特に宇多田ヒカルや佐田真由美とのタイアップが行われました。これにより、M-stageは当時の音楽シーンにおいても一つの存在感を示しました。

結論

M-stageは、ドコモが試みた多様なモバイルコンテンツプラットフォームの象徴的なプロジェクトでした。様々なサービスを通じて、多くの技術的課題や市場の変化への対応を経験し、その結果は今のモバイル環境へと繋がっています。

もう一度検索