M1906 65mm山砲

M1906 65mm山砲



M1906 65mm山砲（フランス語: Canon de 65 mm de montagne）は、フランスのシュナイダー社によって開発され、1906年に兵器として導入された口径65mmの山砲です。この砲は当時の技術の先端を行くもので、駐退機を搭載している初期の火砲の一つとされています。

概要



M1906 65mm山砲は、その設計によりパーツを4つに分解して運搬することが可能であり、特に山岳地域での使用を前提に製造されました。ロバに乗せて運び入れることができるため、アクセスが難しい地形でも利用されることが想定されていました。これはフランスの山岳砲兵連隊にとって非常に重要な要素でした。

この山砲は第一次世界大戦および第二次世界大戦においてフランス軍によって広く使用されました。1940年のフランス降伏後は、ドイツ国防軍に接収され、その後も「6.5 cm GebK 221(f)」として利用されました。また、アルバニア、ギリシャ、ポーランドなどの国々でも使用例があり、イスラエル国防軍も1948年の第一次中東戦争でこの砲を使用しました。

戦歴



フランスでの戦歴



第一次世界大戦において、フランス軍はM1906 65mm山砲をバルカン半島、特にマケドニアの山岳地帯で中央同盟国軍との戦闘に使用しました。具体的には、テッサロニキの戦いでは72門が投入されています。戦後の第二次世界大戦では、この砲は歩兵支援のための野戦砲としても活用されました。

イスラエルでの戦歴



1948年にイスラエルが独立を宣言し、第一次中東戦争が勃発しました。この時、イスラエル国防軍は様々な国から寄せ集めた兵器を用いて戦闘に臨み、その中にM1906 65mm山砲も含まれていました。国防軍の兵士たちはこの砲の古めかしい外観を見て、“ナポレオニック”という親しみを込めたニックネームを付けました。

イスラエル軍初の戦闘で使用されたのは、照準機のない状態の2挺のM1906 65mm山砲で、これは北部デガニアでの戦いの場面で活躍しました。この戦いはイスラエル軍にとって野戦砲を実戦で使った初めての機会となりました。その後、第一次中東戦争の主要な戦闘においてもM1906 65mm山砲は重要な役割を果たしています。

退役後、この山砲はイスラエルの独立時の苦労を象徴する記念碑の一部として、イスラエル国防軍歴史博物館やイスラエル砲兵隊博物館を含む各地に展示されています。

参考文献




関連項目




外部リンク



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