M202ロケットランチャー

M202 FLASH (Flame Assault Shoulder Weapon)

M202 FLASHは、1960年代にアメリカで開発された携行タイプのロケットランチャーであり、第二次世界大戦以前の火炎放射器に代わる焼夷兵器としての役割を果たします。特に、ベトナム戦争において試験運用されたXM191ナパームロケットランチャーを基に設計されました。

概要

このロケットランチャーは、直径66mmのM74焼夷ロケット弾を発射することができ、内蔵された弾薬は4発で、1発ずつ発射されます。M74ロケット弾は、約0.61kgの燃焼剤を含むM235弾頭を搭載しており、ナパームと誤解されがちですが、実際には「増粘自然発火剤」（TPA）です。このTPAはトリエチルアルミニウム（TEA）をブチルゴムで増粘させたものであり、TEAは自然発火性を特徴としており、空気に曝露すると1,200°Cで燃焼します。この燃焼によって発生する白色の強光は非常に明るく、一定の距離までは直接火に当たっていない場合でも熱放射によって火傷を引き起こす可能性があります。

発射機構と性能

M202 FLASHは肩に載せて発射されるデザインで、立ったり膝をついたりしたりしての射撃が可能です。射撃後はロケットを4発装填したクリップを使用して迅速に再装填できる設計になっています。射撃精度については、目標までの距離が50mでバンカー開口部、125mで窓、200mで銃架や一般的な車両、500mで部隊陣形において5割の命中率が期待できます。この命中率は、4発を同時に発射した場合を前提としています。

通常、標準的には大隊司令部に9つのM202が配備されましたが、必要に応じて小銃小隊にも1つ配備されることが一般的でした。多くの携行ロケットランチャーと同様に、M202には専門の射手はおらず、小銃手が通常の装備に加え携行する形となります。この設計は従来のM2火炎放射器よりも軽量にされましたが、サイズが大きく、弾薬の信頼性に欠ける点は懸念されました。結果として、M202は実際にはあまり運用されることはなかったものの、アメリカ軍の装備品として一応存在し続けました。

現代の運用

最近では、アメリカ軍は焼夷弾に加えサーモバリック爆薬も使用するようになり、アフガニスタンへ派遣された部隊の棚卸物資にM202A1の情報も確認されています。これは、M202が依然として特定の場面での使用可能性を残していることを示しています。

運用国

• - アメリカ合衆国
• - 韓国

関連項目

• - ロケットランチャー
• - RPOロケットランチャー

M202 FLASHは、焼夷兵器の役割を担いながらも、その運用は制限されましたが、その技術は他の兵器にも影響を与え続けています。

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