M24 SWS

M24 SWS（スナイパー・ウェポン・システム）

M24 SWSは、アメリカのレミントン・アームズ社が製造したボルトアクション式狙撃銃で、多様なオプションや光学照準器が組み合わされて、狙撃システムとして広く使用されています。1988年にアメリカ陸軍に正式に採用されて以降、世界各国の軍隊や警察でも活躍しており、その高い精度と信頼性から多くの支持を受けています。

概要

M24 SWSは、単体の銃器だけでなく、各種附属装備品を含む構成により「スナイパー・ウェポン・システム」と名付けられています。基本型であるM24は、スポーツ用のM700ライフルを基にしたもので、特に長距離射撃が可能な設計です。ストックにはH-Sプレシジョン社製のグラスファイバーストックが用いられ、光学照準器はリューポルド社製が装備されています。また、トリガーガードはダコタ・アームズ社のスチール製に変更されています。

引き続き、M24には競技用の照準器を取り付けるためのベースがあり、様々なスコープを取り付けることが可能です。初期型のスコープにはリューポルド社のウルトラM3が標準装備され、その後のモデルではより高性能なスコープが採用されてきました。特にM24A2では、より多様な射撃条件に最適化されたスコープが導入されています。

バイポッドには、ハリス社製の伸縮式が採用され、携行品は耐久性の高いケースに収納されています。

戦闘実績

イラク戦争では、M24が待ち伏せ戦や対戦車ミサイル射手の排除に大きな成果を上げました。一方で、連続な射撃が難しいため近接戦闘での使用には限界があるとされ、そのためM24の後継としてM110 SASSが採用されました。しかし、M24も引き続き運用され、アップグレードが行われるなど、長距離精密射撃専用としての役割を維持しています。

アメリカ陸軍は現在、短距離での交戦にM110を使用しつつ、長距離狙撃用にM24を運用しています。2021年には新たなボルトアクション方式を持つMk 22 ASRが予算に組み込まれるなど、今後の狙撃系装備の進化が期待されています。

バリエーション

M24のバリエーションには、XM24A1からM24A3まで多くの改良型があります。XM24A1は新しい弾薬を使用することを目指した試作モデルで、このモデルは不採用となりました。M24A2はエルゴノミクスが改良され、ストックの調整機能が追加されており、現代の戦闘環境に適した設計がなされています。最も進化したM24A3は、精度向上のために.338ラプア・マグナム弾を使用し、さらなる射程距離の拡張が図られています。

陸上自衛隊での使用

日本の陸上自衛隊でもM24は採用されており、狙撃手は専用の狙撃班に配属されています。導入は2002年度から始まり、狙撃用として特化した性能を持つこの銃は、日本国内でも高い評価を受けています。自衛隊の狙撃手は、国際環境に即応するために、各種の隠密行動用装備を使用しながら訓練を行っています。

採用国と登場作品

M24 SWSは、アフガニスタン、ブラジル、ジョージア、ハンガリー、メキシコ、イスラエル、日本、台湾、レバノンなど、多数の国で導入されています。また、その存在は映画やゲームなどのフィクション作品にも登場し、狙撃銃としての地位を確立しています。

M24 SWSは、ただの武器に留まらず、戦場において高い戦術的価値を持つ重要な装備として多くの部隊に欠かせない存在となっています。

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