M28 (天体)

M28（NGC 6626）

M28（メシエカタログ28番、NGC 6626）は、いて座の方向、天の川銀河の中心近くに位置する球状星団です。地球からの距離は約1万8000光年と推定されています。

概要と観測

M28は比較的明るく、双眼鏡を用いると個々の星が分解されないぼんやりした光のしみとして見えます。これは恒星ではなく、多数の星の集まりであることを示唆しています。

望遠鏡での見え方は口径に依存します。中心部は特に明るく高密度ですが、外側に向かうにつれて急激に暗くなります。

• - 小口径望遠鏡（10cm程度）: 中心部は明るいが、周辺星はほとんど見えません。
• - 中口径望遠鏡（20cm程度）: 条件が良ければ、周辺部に微かな星がいくつか見え始めます。
• - 大口径望遠鏡（30cm以上）: 中心部は密集しているが、周辺部では淡い個々の星が多数分離して見え、星団全体の構造がより詳細にわかります。

科学的発見

1987年、M28内でミリ秒パルサーが発見されました。これは、M4に続く球状星団内のミリ秒パルサーとしては二例目です。球状星団のような高密度な環境は、星の相互作用を通じてこうした高速自転するパルサーが生まれやすいと考えられており、M28での発見はその理解に寄与しました。

観測の歴史

M28は、1764年7月27日にフランスの天文学者シャルル・メシエによって発見され、メシエカタログに収録されました。メシエは3.5フィートの望遠鏡で観測し、「星のない星雲。3.5フィートの望遠鏡では難しい。直径2分角」と記録しています。

後にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが、より高性能な望遠鏡を用いてM28を個々の恒星に分解し、これが球状星団であることを明らかにしました。

M28は、いて座に位置し、天の川の豊富な天体の中で、中心の輝きと周辺部の星の粒立ちを観察できる魅力的な天体です。

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