M34 (天体)

M34（NGC 1039）

M34は、秋の星座であるペルセウス座に位置する美しい散開星団です。正式なカタログ名としてはNGC 1039としても知られています。この星団は、地球から比較的近い場所にあり、アマチュア観測者にとって非常に観測しやすい天体の一つとして親しまれています。

特徴

M34を構成する星々の数は、天文学者ヘレン・ソーヤー・ホッグの研究によると、およそ100個とされています。これらの星は、星団内で均一に分布しているわけではなく、等級に偏りが見られるのが特徴です。非常に明るい星と比較的暗い星が多く存在し、中間の明るさを持つ星は比較的少ないという構造をしています。

また、この星団内には複数の二重星が含まれている点も興味深い特徴です。星団の中心近くには、等級8.0等と8.5等のペアである二重星「h1123」が見られます。さらに、星団の南東部には、等級8.4等と9.1等の二重星「ＯΣ44」が存在しており、これらの二重星を探すのもM34の観測における楽しみの一つと言えるでしょう。

M34は比較的に広がった、まばらな構造を持つ散開星団です。この性質のため、大きな望遠鏡を使わずとも、その全体像を捉えやすいという利点があります。

観測方法

M34は、観測条件が良い場所であれば、特別な道具を使わずに肉眼でもその存在を確認できる数少ないメシエ天体の一つです。光害の少ない暗い夜空の下では、淡い光のしみとして見つけることができる可能性があります。

双眼鏡を用いると、肉眼で見たときよりも多くの星が分離して見え始めます。淡く広がる光の中に、10個程度の個々の星がちらちらと輝いている様子を捉えることができるでしょう。

そして、その広がった構造ゆえに、口径10cmクラスの比較的小さな望遠鏡でも十分に観察を楽しむのに適しています。小望遠鏡でも個々の星をよく見分けられ、星団のまばらな様子や、中に含まれる明るい星、そして前述のような二重星を探してみるのもおすすめです。

発見の歴史

M34は、その存在が広く知られるようになる以前に、イタリアの天文学者ジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナによって1654年よりも前に発見されていたとされています。しかし、彼の発見は残念ながら当時の天文学界に広く知られることはありませんでした。

後年、フランスの著名な天文学者シャルル・メシエが、先行するオディエルナの発見を知らずに、この星団を独立して再発見しました。これは1764年8月25日のことです。メシエは自身の作成した有名な天体カタログにM34を登録するにあたり、その観測記録を以下のように記しています。「アンドロメダ座のガンマ星にほぼ平行で、少し南に位置する小さな星々の散開星団。3インチ程度の一般的な望遠鏡でも、個々の星を見分けることができる。」この記述からも、M34が当時から比較的容易に観測できる天体であったことがうかがえます。

メシエによる再発見とカタログへの登録によって、M34は天文学者やアマチュア観測者の間で広く知られることとなり、現在に至るまで多くの人々に観測されています。

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