M47パットン

M47 パットン中戦車

M47 パットン（英語: M47 Patton）は、アメリカが開発した第二次世界大戦後の第一世代主力戦車であり、主に中戦車として分類されます。この戦車は、M4シャーマンやM46の後継として設計され、パットンシリーズの第二弾にあたります。

開発の経緯

アメリカ陸軍は、1948年8月に新型中戦車T42の開発に着手しました。このプロジェクトの一環として、1949年にはM26パーシングのエンジンとトランスミッションを改良しM46を完成させました。T42の特徴は、新型砲塔とそれに搭載される50口径90mm戦車砲T119（制式名はM36）でした。この砲は、従来のM3 90mm戦車砲から改良され、高初速の弾薬に対応可能となっています。

悪影響を及ぼす問題もありました。砲塔に搭載された測距儀によって、砲撃時の衝撃で射線が狂う欠陥が確認されました。これにより、開発計画の見直しが求められましたが、朝鮮戦争の勃発によって新型戦車の必要性が急増し、計画は加速しました。それに伴い、既存のM46車体にT42の砲塔を搭載する形式でM47中戦車として1951年4月に制式採用されました。

量産型のM47は、1952年に部隊配備が始まりましたが、朝鮮戦争には間に合いませんでした。その後、後継のT48戦車が1953年に「M48」として量産されたため、M47はすぐにM48に置き換えられることとなりました。

アメリカ軍では、M47はわずか数年の運用期間だったものの、NATOの加盟国や他のアメリカの同盟国に供与され、広く使用されました。最終的には、1970年代に予備装備として保管されていたM47は、現代の戦車に取って代わられたことで、スクラップとして処分されるか博物館での展示品となりました。

各型・派生型

M47のバリエーションにはいくつかの型があり、例えば以下のようなものが存在します：

• - M46E1: M46戦車にT42砲塔を搭載した最初のモデルで、後にM47となりました。
• - M47M: 1960年代に改良が行われ、射撃統制装置およびエンジンが更新されたが、主砲はM36 90mm砲のままとなっています。
• - M47E: スペインでの改修型で、基本仕様はM47Mと同様ですが、射撃統制装置は換装されていません。
• - M47E1およびM47E2: 主にエンジンや主砲の換装を行ったモデルです。

現在の運用国と実戦投入

主な運用国としては、イランが挙げられ、過去には印パ戦争や中東戦争に投入されたこともあります。特に、1965年の第二次印パ戦争では、パキスタン軍がM47やM48を使用しましたが、厳しい状況下で大きな損失を出しました。

当時の戦闘では、他国の先進的な戦車に対して十分に対抗できず、戦闘後に「パットンナガー」と呼ばれる地点ができるほどの惨事でした。

映画やゲームでの登場

M47パットンは、映画『バルジ大作戦』やアニメ『Project BLUE 地球SOS』などの作品に登場し、さまざまなメディアでその存在が認識されています。また、ゲーム『War Thunder』ではいくつかの国の戦車ツリーにも組み込まれています。

このようにM47パットンは、短い運用期間にもかかわらず多くの国々で使用され、文化的にも広く影響を持っている戦車と言えるでしょう。

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